色々と
あれから行く予定だった場所へ記者の2人と共に取材を受けながら行動していた。
「この度はありがとうございました。急な申し入れでしたのでご対応頂き感謝の念しかございません」
岡田が一礼すると村井も続いて頭を下げる。
「とんでもないです。こちらこそありがとうございました。色々と連れ回してしまい申し訳ございません」
「本当に申し訳ございません。次回から取材等ございましたら秘書である私宛にご連絡頂けましたら調整をしっかり致しますので。今後とも引き続き宜しくお願い致します」
「承知致しました。次回からは深澤様宛にご連絡させて頂きます。では、これで失礼致します」
岡田は再度一礼すると村井と共に車へと移動する。
「いやあ、あの深澤さんって人、めっちゃ私達に警戒してたね。」
助手席に座る岡田は深澤達のいる方へと視線を移しながら村井に話し掛ける。
「そりゃあ秘書さんなので、そういうのやっぱり有るんですかね。守る的な」
「んー……其れも在るだろうけど、其れだけじゃないと思うんだよなあ、あれ。多分、きっと深志さんの事好きだね。恋愛的に。負けるなよ、村井」
岡田は村井の頬つついてにやつきながらちょっかいを出す。
「何ですか、それ。もう行きますよ」
つつかれたまま、頬膨らます村井は車を動かしてこの場を後にする。
「あの記者さん達、珍しいわね。もっとぐいぐい来るのかと思った。色々な意味で」
事務所に着くと深澤は珈琲を入れて深志の机に置く。
「ありがとう……そうだな、まあ、波田さんと共にだいぶ釘を刺したからでしょ。でもさ、未来、あの子達は割と使えそうだと思うんだよね」
「成程ね。貴方もそういう事考えるんだ……でも確かに貴方の宣伝役になって欲しい。貴方の実績や顔、名前、政策、思考を宣伝して貰えばより国民の支持を得られやすくなる」
「そういう事。其れにあの子達可愛いしね。話せるだけでハッピー……って、未来、怖いよ、未来さん?」
深澤は笑みを浮かべるも無言で圧力をかけていた。
「深志君、おはよう。この前、現場行ったんだって?どうだった?」
今井は深志を見つけるとやあ、と言って話し掛ける。
「おはようございます。総理。そうですね……専門家を連れてみないとやっぱり詳細案は出せないですが……荒れてましたね、想像以上に」
「それはそうだろう……何故なら廃村の村だからね。君には期待しているよ。無理だけはしないように」
「ありがとうございます」
今井は手をゆらゆらと揺らしながら立ち去る。
「吉住さん、深志議員は結構硬いですね。スキャンダルになりそうなものが今の所出て来ないんですよね。この前現地に実際足を運んだ件について記事が出てるんですけど、割とその内容が良いらしくて国民の評判が良いのだとか」
眼鏡を掛けた細身の男が吉住に報告する。
「そうか……徹底的に調べてくれ。あのまま、評判が良いと私が総理になる為には大きい障害になりそうだからな。党のダメージ大きいだろうが、私がそこで改革に乗り出すアピールして行けば……。とりあえず、その記者との関係が怪しいな。その辺調べておいてくれ」
「承知致しました。吉住さんの秘書として頑張ります」
「嗚呼、頼むよ。私の為、ないしは君の娘さんの為にもね。内山君」
吉住は内山の肩を軽く叩いて、部屋を後にする。
「優菜、お父さんも頑張るから、御前がちゃんと元気になれるように……」
吉住が退室すると内山携帯で病室のベットで座り乍こちらに笑みを浮かべている娘の写真を見ながら呟く。




