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荒れた現地

深志と深澤は峯集落に着き、周りを見渡すと予想はしていたものの、想像を遥かに超える荒れ具合、悲惨さのあまり唾を飲み込む、暫くの間、口を開ける事はあるも声は、言葉は出せなかった。

軍艦島のように観光地なら立ち入り禁止のエリア、建物のあっただろう。

此処も同じ無人の場所だが、此処は観光地ではない。軍艦島より荒れていても可笑しくはない。

ホラー映画には絶好の舞台だろう。ただ峯集落が舞台になった作品は少なくとも俺は知らない。

そんな村をどうやって整備していくか、安全に進められるか悩むな。

そんな事を脳内で巡らせてから5分経った頃か、俺は未来に話し掛ける。

「想像以上に荒れているな……これ、どうやって、整備すべきか。とりあえず、更地にする所からか」

「そうねえ……時間もお金もかかりそうだけど。まあ、最初から更地にするつもりだったし」

深志は更に奥へと歩を進めると神社に辿り着く。

「この神社は再スタートの証として、修復させたいな」

「うん、そうだね……それも提案してみよ」

深澤は優しく頷く。

「それにしても、此処で生活されてたんだな……人形だったり家電を見ると感じされるよ。きっとさ、人口回復が難しい現代において、今後もこういった廃村が増えて行くんだよな。悲しいけどさ」

「そうだよね……その防止の為にもこういった廃村達を再生して、労働世代の人達の就労率、給料や福祉制度を充実していけば、きっと日本は良くなって行くと思う、真琴が思うように私も」

深志と会話しながら深澤はしゃがんで、木に持たれかかっている兎であろう人形の前足の部分を人差し指で触る。

「そうなるように頑張るよ。だから未来には支えて欲しい、日本を良くする為に俺には君が必要だ」

深志の言葉に頬を紅く染めるも深志の事だ、恐らく色恋の事は一切含まれていないのだろうと気付くと溜息を漏らす。

「はあ……そういうとこだよ、真琴。まあ、言われなくても必要とされる限り支えますよ。ばーか」

「え、なんで溜息つかれてんの、バカって言われてるの」

深志は不服と言わんばかりに頬膨らませ、後頭部をかく。

「もういい時間だし、そろそろホテルに行くか。暗くなると危ないでしょ」

「そうね、そうしましょ。そこでまた練りますか」

もう既に空はキャンドルの火のように紅く包まれていた。


ホテルにチェックインしてそれぞれの部屋に荷物や大浴場に入り終えると、お互い館内着に着替え、ホテル内に併設されている飲食店に向かっていた。

「あの後、少しは構想浮かんだ?」

「んー、全く……建築家の意見や地質調査してから考えるべきだな……しかし、本当に人が居ないとあんなに荒れるんだな」

「そうよねえ……練りましょって言ったけど、先に進まないか……とりあえず、今日はお疲れ様です。お酒飲んで、ゆっくり休みましょ。明日もあるし」

「うん、そうだな、そうしよう……しかし、これ美味しいなあ」

日本酒を1口喉に流し、唐揚げを口に運んだ。

「ねー、幸せ」

未来も笑顔で口に唐揚げを運ぶ。

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