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仮の妃  作者: 実
5/8

ふぃふす

短いです。

 それからの毎日はあっという間だった。

 口調や仕草を直され、ありとあらゆる教養を身につけた。国内最上級の先生が揃い、さすが東宮だな、と素直に感心した。(ほぼ毎日稽古から逃げ出していたのはひ・み・つ♪)


 陽様が東宮だと知った日以降、次に会えたのはそれから4年後で、その間に私は、失恋を乗り越え、東宮様の幸せを願えるほど気持ちの整理ができたので、良かったと思っている。


4年の間、都からは東宮様の素晴らしいご活躍ぶりが聞こえてきて、とても誇らしく感じると共に寂しく感じたのは右近でさえも知らないはずだ。


 再開したときには、私が唯一やっていて楽しいと思えた琴を披露した。とても緊張していて東宮様の反応は分からなかったが、喜んでくれていたのかな?

 その時話したのは2年後正式に結婚することが決まったこと、その2年後にまた新しく妃を迎えるということ。

 4年先まで決まってるんだ? と疑問に思ったりしたが、偉い人はそんなものなのか、とあっさり信じた。


 そして、どっきどきの結婚初日。


「主上。これからお世話になります、桜子と申します。松の妃の名をいただきました。よろしくお願いいたします」


「ああ、桜子。これからは松、と呼ぶ。よろしく」


 特に甘い空気もなく、その日はただ淡々と事務的に過ぎていった。やっぱり私は第2妃を迎えるための前段階なんだ。そりゃ東宮様だっていろいろ練習したいよね。

 やっぱり本命と結婚した後は私(仮の妃)の存在は邪魔なハズ。ここは後宮を出てどこかの家に移り住もう。東宮様の幸せを邪魔してはいけないもの。その資金はたくさんの送りものを売って手にいれよう。そのくらい、手切れ金ってことで、いいよねっ!

 あとはこの恋心を隠して、残り少ない日々を幸せに過ごすだけ……


 そう思っていたのに。


「まて、松。出立とは何ごとだ。私は許さないぞ!!」


 ……はぁ?

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