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仮の妃  作者: 実
4/8

ふぉーす

左松と右松が混じってました。混乱させてしまい、申し訳ありません。これに関して、主人公→松の妃 第二妃→竹の妃 に変更しました。

表記を少し変えました。流れには差し支えません。

すみませんでしたm(_ _)m


主人公=松の妃=桜子(本名の下の名前)

 チュンチュン

 そんな擬声語が似合う雀の声で私は起きた。


「おはようございます、姫様。入ってよろしいでしょうか?」


 いつも通り、私の唯一の侍女、右近が起こしにくる。


「うん、ねえもう陽様来てる?」


「はい、いらっしゃってますよ」


「ほんと?! じゃあ早く着替えなきゃっ」


 朝ごはんも食べずに着替えて、足音をたてないように歩く。お母様は音に厳しいのだ。



「……そうですか、それなら確認を」


 なにやらお父様の声が聞こえる。もう話しちゃってるのかも。


「教育などに関しては我が家で行う。教育費については全て東宮様もち。結婚費についても同じく東宮様もち、でよろしいでしょうか?」


「問題ないです」



 ……え……



 今、東宮様っていった? お父様。いらしてるのは陽様じゃないの? でも、声は陽様だし……どういうこと?


「それで、東宮様、桜子にはいつご自身の身分についてお話ししなられるのですか? 娘は、何も知らないようですが……」


 珍しい。お母様がお客様と話てる。って、そうじゃなくて、入るタイミングつかみそびれちゃったから、ちょっと隠れなきゃ。


「彼女には陽が東宮……私が東宮であることをこの後伝えます。それで謝り、許してくれたらそのまま教師を手配しに都に戻るつもりです」

 

 そんな……東宮様だったなんて……私、どうしたらいいの?


「分かりました」


「ああ、お二人共、この婚約のことは彼女が後宮に入るまで回りには内緒に。じきに面倒になりますから」


「「もちろんです」」


 ……面倒ってなに? 私もしかしてあそばれてるの?仮なの?結婚しないの?誰か他に好きな女の子でもいて、その子の変わりなの?


 ……ああ、そんな気がしてた。じゃないと私をこんな素敵な人が好きになるはずないもん。

 痛い、胸の奥の方がズキッとする。部屋に帰らないと聞いてたことがばれちゃう。でも動けない……


「桜子?」


 ……気づかれちゃった。


「陽様!すみません、足を痛めたみたいで」


 言い訳苦しいかな? と思ったら心配して部屋まで案内されながら連れてきてくれた。 ……本当に優しいんだから。


「ありがとうございます」


 私、ちゃんと笑えてるかな?

 どこか寂しそうに陽様……じゃなくて東宮様は私に微笑んで、


「ねえ、私は実はこの国の東宮なんだ」


 と、告げた。私は驚いたふりをして、


「でも、それでも私は陽様のことが好きです。騙していてもいいです。好きです」


 と、告白した。 ……そう、大好きです……


 敬語の練習しなきゃ、と痛む胸を押さえながらぼんやり思った。

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