さーど
ブクマありがとうございます。文字数は毎回かなり変わるかもしれないです。
全く話がみえない。私は後宮を出ていくんじゃないの……?右近、なんでそっと部屋を出ていくの……?
そんなどーでもいいことは考えられるのに、肝心なことは考えられない。
「松、どうして後宮を出るなどいうのだ? 何か不満でもあるのか?!」
「いいえ、不満などございません。なぜかと申されましても、私と主上の約束のためでございます」
そう、私は私と主上の小さい頃の約束を果たすためにここにいるのだ。
まだ私が後宮入りしていない昔のこと。私は時々実家の裏山で会える男の子に夢中で、男の子に喜んでもらおうと一生懸命だった。
「見て!綺麗なお花!摘んでくるね!!」
「気をつけるんだよ」
温かい目をした私より3、4才年上の優しいお兄さんが私は大好きで、よく見つめていたりした。
「ふふ、そんなに見つめられたら恥ずかしいよ、桜子?」
「……ごめんなさい、陽様」
ボソッ「……かわいいなあ」
「? 何か言った?」
「ううん、何も。ねえ桜子は私のこと好き?」
「うん! 桜子は陽様のこと、だぁーいすきだよっ」
「ぐはっ! ……じゃあさ、私と結婚しない? 結婚したらずっと一緒にいられるんだよ?」
「ずっと?!! ……結婚、するするっ」
「よかったぁ。じゃあ明日桜子の家にお邪魔するから、ご両親に伝えておいてくれる?」
「うんっ」
今思えばかなり恥ずかしいが、その頃の私は結婚について何も知らず、(なんといっても私まだ6才)ルンルンで家に帰り、両親に伝えた。
「ええ! 陽様と結婚?! むりむりむり……」
「桜子、いいの? 本当に?」
「うん! 陽様と結婚するの! お父様、何が無理なんですか?」
「……桜子、今日はもう寝なさい。お父様たちはこれから大切な話をします」
「はい、おやすみなさいお父様、お母様」
「「おやすみなさい」」
子供はとっくに寝た時間、夫婦の寝室はまだ明るかった。
「なぜ東宮様は我が家のような下流貴族の娘を望むのか……」
「桜子は陽様が東宮様だということを知らない様子でしたのに、どうするおつもりなのでしょう」
「それに桜子はなんの教養もない!皇族と結婚させるような金もないぞ?! 頭がいたい……」
「とりあえず、明日いらっしゃる東宮様に聞いてみましょう。なんとかなりますでしょう」
「……そうだな……」
とても悩ましい問題なのであった
……さーどの次ってなに……?