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 この手紙を君が読んでいるということはきっと私はそこにいないのでしょうね。


 話していきましょうか。


 私はオオカミに噛まれていた経験があります。そのオオカミは珍しいものでしかも強く、皆心配してくれました。だけど心配だけです。我こそが退治してやろうという人はいませんでした。


 出会った頃の君と同じように誰も信じなかった。信じることができなかった。そんなとき、ある人に出会います。その人は私からオオカミを引き離してオオカミを殺してくれました。そこで私は人を信じることの強さ、そして信じられることの強さを知ったのです。


 その人と同じように誰かを救いたいと思った私は腕を磨きました。世界中の人を助けられるように。


 そうしているうちに君と出会った。あまりにも過去の私と重なるから、贔屓目に見ていた部分も少なからずあったかもしれません。でも、それくらい君は暗かったのよ。今の明るさをもっと高めながら生きてくださいね。だんだん暗さは無くなっているけど、まだまだ君は明るくなれる。明るくなれば人を信じられる。もっと明るくなれば人に信じてもらえる。たくさんの信頼を得てください。


 さて、告白のことです。


 嬉しかった。人と信じ合うことは多くなったものの恋愛的に好きになってもらうことは無かったのよ。恐らく、ね。人を好きになることも無かったし。何もかもを仕事に費やしてきたからかもしれない。


 そんな中で君に気持ちを伝えてもらえて私は新しい温かさを覚えた。立場上、冷静にならざるを得なかったからあんな返答になってしまったけど嫌な気持ちにはならなかったわ。


 むしろ君を好きになってしまっていたのかもしれない。もちろん恋愛的に。色んな人に信じてもらった私は感じていたの、君は世界で一番私を信じてくれてるって。出会ってきた誰よりも。


 だから君を悲しませたくなかった。もっと近い関係になってもすぐに私はいなくなってしまうこと、気が付いていたから。君にはもう、泣いてほしくなかった。


 本当はもっと書きたいことがあるのだけど、ごめんね時間が無くて。


 最後にお願いがあります。


 私のことは忘れて生きていってください。


 君は優しいから、自分の処置さえ無ければもっと私はもっと生きていたなんて思うかもしれない。


 でもそれは間違いよ。どちらにせよ私は死ぬ運命にあった。それなら約束を果たすべきだと思った。あなたがこれからも人を信じていけるように。私は自分でこの道を選んだの。命をかけて、君を助けると誓ったのよ。


 君は魅力のある人間だから。きっと、素敵な人に巡り会えるでしょう。死んだ人間には捕らわれないで。これは、約束よ。


 じゃあね、ありがとう。


 君に出会えて幸せだったよ。


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