四話目
あまりの光に思わず目を閉じて・・・そして開けると・・別に魔法使いっぽい服を着ていたわけでもなく、何も変わらない私しかいなかった。
いや・・・変わったのは・・・
「これ何!?」
私の右手には、茶色の長い棒の先に濃い緑の玉がついた、まるでお話の中にでてくるような魔法のステッキが握られていた。
「あなたの想像通り、私たち、魔法使いが魔法を使うのに必要なステッキよ。それを使わないと私たちは魔法を使うことができないの」
少女が説明してくれる。
「わかった・・・とりあえずこれで魔法を使えばいいのね!って・・・魔法なんてどうやって使うかわかんないよ!」
魔法使いになったはいいけど(本当になったの?)、魔法なんて今まで一度も使ったことなんてない。
そう思っていると、少女は驚く言葉をいった。
「私も知らない」
・・・・・。
・・・・・・。
「え!?」
衝撃の一言だった。
し、しらないって・・・?
「どういうこと?」
「そのまんまの意味よ。魔法っていうのはその人ごとに使える力が違うの。例えば私の魔法は『フラワーイリュージョン』っていうんだけど・・・私以外にこの魔法を使える人はいないのよ」
なるほど。つまり個人ごとに使える魔法が決まっていて、自分の使える魔法はその人にしかわからない、ってことか・・。
「じゃあぶっつけ本番で?」
「そうね、そうなるけど・・・あなたにしか頼める人がいないの。どうか・・・私を助けて!」
少女は私にはじめて泣きそうな顔を見せた。
・・・よし、私にできるのはこの子を助けることだ。
私はこの子を助けるために戦う。
「任せて!落合日名子、人助けは大の得意!」