二話目
早めの就寝のため、手短に身支度を終わらせて、私は自室に戻ろうとしていた。
階段をゆっくりと上がって自室の前まで歩く。
そして何時もどおりに中に入ろうとして・・・・・
「え?」
思わずつぶやいてしまう。普段どおりの寝室。ピンク帳のカーテン、ベッドにカーペット。参考書や少女マンガの入った本棚。小学校から使ってる小さな丸いテーブル。
その上には、私の最近の趣味の、手芸で使う道具が置いてあった。
そこまではいい、いいんだけど・・・。
「誰なの・・・あなた・・・?」
そのテーブルの横で静かに立っている1人の少女。
ロングでくるくると巻かれた鮮やかな黄緑色の髪の毛に、真っ赤でギザギザのとんがり帽子。大きな緑の瞳はくりんとしていてとても可愛い。
そして同じ緑色のワンピースを着て、パッと見は大きなお花のような感じだった。
年齢は・・・多分中学生くらい。どう見ても怪しい・・けど物凄い美人な少女は、私の方を見て、こういった。
「・・・助けてっ・・。・・・狙われてるの・・!」
「ね・・狙われてる!?」
物騒な言葉が少女の口から出てきて、私は思わず声を裏返してしまった。
でも少女は苦しそうな顔をしてこちらを見つめている。よくよく見れば、ワンピースのあちこちが破けたり、黒ずんだりしている。
それを見て、私は、心の奥底から危機感を感じ、そして私のもともとの性格・・困ってる人は見逃せない正義感から、その少女を助けることを決めた。