勇者として――帰還――
一日(?)二話更新です。
学校、疲れました。
精神的にボロボロになった俺は転送魔法で味方陣地に帰還した。
その姿に初めに気が付いたのは、たまたま転送先にいた将軍だった。
「勇者殿! よく無事で」
「ああ」
「となると、あの憎き畜生共を?」
「ああ」
胸が痛み言葉に詰まる。
しかし自分のした行為に責任を取るつもりで言い切った。
「俺が一人残らず殺した」
「なんと! それは素晴らしい。早速王様にお伝えしなくては」
そう言って将軍はたまたま通りかかったを呼び止め、兵士を伝令として使った。
そして向き直り
「では今宵は宴ですな。戦勝記念で豪勢にいきましょう」
「悪いがそんな気分じゃない」
「そ、そうですか……」
俺の言葉に困ったような将軍。
しかし俺に気遣うような余裕はなかった。
「じゃあ休ませてもらう」
そう言い残して立ち去った。
まずは一眠りしよう。
それから悩もう。
話はそれからだ。
一晩の間、悩み苦しみながら寝た。
そして俺の意志も固まった。
「勇者殿、お目覚めでしょうか」
心の内、静かな決意を秘めていると、テントの外から声がかかる。
「ああ。起きている」
「それでは外にお出でください」
言葉に従い外に出ると、そこには最初の軍議に出ていた人、つまりお偉方が集まっていた。
「勇者殿」
その中なら将軍が進み出る。
「何だ?」
その勢いにたじろぐ俺。
「この度はお世話になりました。しかし、早速王より帰還命令が下されまして」
思った通りだ。
どうせまた別の戦場に行かされるのだろう。
だが断ってはいけない。
全ては目的の為。我慢しよう。
「分かった」
「それでは馬車の用意が出来しだい」
「必要無い」
「え? ですが今帰還すると……」
「転送魔法で帰る」
「転送、魔法?」
「ああ。ある一点から一点へ移動できる」
「おお、そうでしたか。実に申し訳無い」
「なら今から帰還する」
「はい、分かりました」
それでは、と言う将軍や忌々しげな各部隊の指揮官を尻目に集中する。
転送先はどこが良いだろうか。
少し考えたが、結局王城の自分の部屋にした。
「では今から転送魔法を使う」
「はい。お気をつけて」
将軍が言った瞬間、俺の姿は消え去った。
そう言えばそろそろ主人公の学生編を短くしたいなぁ。
700PV越えたらしようと思います。
予定ですけど。
感想、評価をお待ちしてます。