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箱庭の遊び方  作者: 麦頭
第一章
3/15

二話:始まりの合図

プロットなんぞ何も立てず、勢いで書いています。

…駄目ですね。すでに矛盾が出てきている気がします。

前話を書き直すかもしれません。

 二時の集合にしたのは一応の考えがある。


 この得体のしれないチラシが配られているのはこの町だけらしい。つまり、何かあるとしたら、この街で起こるということだ。


 なにかを起こすとしたら何かしらの用意が必要である。チラシを数千枚もまいたのだ。ちょっとしたイベントだとしても、それなりに用意が必要だろう。


 そして、昨日の時点で何かイベントの舞台設営などが行われている様子はどこにもなかった。


 だから、このチラシを配った『誰か』。その『誰か』達はきっと夜のうちに一気に用意をして、すぐに撤収する、という形で何かをするんではないかと思っていたのだが。







 所詮高校生の浅知恵だったらしい。








「なんにもおかしいところなかったね。」


 須藤が言った。

 ジーパンにシャツ、そしてスカジャンという、なんとも田舎くさい恰好である。それが似合って見えるのだから、美形っていうものはいかんともしがたい。畜生。

 

 あぁ、そうだ、言い忘れていたがこいつは女だ。色気なんか感じたことはないけど。

 割と整った顔をしているし、気さくな性格をしているせいか、男女問わず人気がある。

 

男からは付き合いやすい友人として。女子からは恋愛対象として。…普通逆なんじゃないかと思う。こいつのせいでうちの学校はカップル率が低いとの噂もある。許すまじ。


 こいつの腕っ節は父親に鍛えられたせいか強い。特に剣術槍術薙刀などは、普通に全国大会で優勝できるんじゃないかと思っている。ちなみに一番好きな武器は木刀らしい。なぜか。うちの学校でのあだ名は『番長』ってことからも察してくれ。


 ふむ、そう考えるとこいつは主人公でもおかしくないスペックを持っているんだ。なのになんでかモブキャラ、というのがしっくりくる。俺といるからだろうか。いや違うな。色ものキャラだからだ。きっと。



「そうだなー。」



 そう答える俺は、下はジーパン、上は黒のジャージ(おしゃれジャージではない)というどっからみても田舎の恰好である。いいじゃん。動きやすいんだし。




 二時に集合した俺らは自転車で街の主要部分を一回りした。先ほども言ったと思うが、どこかしらでイベントの用意をしていると思ったのだ。しかしどこに行っても人が歩いてさえいない。よくある違法駐車以外には怪しい車が止まってすらいない。


 …一つだけ、止まっているのになんだか激しく揺れている車があったがさすがに中を見ることはできなかった。須藤と一緒にいたのが本気で悔やまれる。一人なら。せめて男友達と一緒ならめくるめく世界をのぞき見ることができたのに!!!!!



 こほん。



 つまりはおかしいところなど何もなかったということだ。いつも通りの夜。道路に大の字で寝ていても全く問題がないほど車の通らない田舎。みんなが寝静まった夜。河原に座った俺らを三日月だけが俺らを見て笑っていた。



「…今、恥ずかしいこと考えたでしょ。」



 …昔からの付き合いはこういうときに困る。わかってほしくないこともわかられてしまう。



「多分、『月が俺たちを見てる。まるでその徒労を笑っているかのようだ』てとこかな?」



 しかもかなり鋭い。正確に見定めてくるのだ。



「そんなことよりも、そろそろ四時じゃないか?」



 ナルシストー、ナルシストーと俺をつついていた須藤が時計を見る。



「ほんとだ、今三時五十五分。もうすぐだね。何が起こるのかな?」



「さぁ。でもまぁ、せめて楽しいことが起こってくれと思う。」



 ほんとにそう思う。

 俺らがモブキャラなら、せめて巻き込んでほしい。

 誰でもいいから転校生なんかがやってきて、そしてそいつは何者かに追われているのだ。


 うん、面白いなそれ。


 何か影のある転校生。きっと美少女だ。外人だともっといい。

 その子は友達になろうと声をかけた俺らを拒絶する。


『私に構わないで。』


 しかしその瞳は悲しくうるんでいて、何かしら事情があることをのぞかせる。

 その瞳が気になった俺らはしかし何もできず、いつもの帰り道をいつも通りに帰っている。

 するとかすかに聞こえる女の子の悲鳴。声のした方向に走っていくと、そこにはあの転校生(びしょうじょ)と、怪しい影!!


 それに気付いた俺らは、多少覚えのある腕っ節を披露するため、そいつと追跡者の前に立ちはだかる。




 そして決め台詞だ。







 

『ここは俺に任して先に行け!!』








「…それは死亡フラグだよ。」


 なに!?須藤、貴様また心を読んだな?


「いや、後半声に出てたし。それより、時間。そろそろだよ。」


 携帯を見る。三時五十九分。四時まで残り四十秒。


「本当だ。なにか起こりそうな予感はあるか?」


 残り三十五秒。


「ない。町はいたって平和であります。隊長。」


 残り三十秒。


「なんだ、チラシはただの悪戯か。」


 残り二十五秒。


「いや、四時にならないとわからないし。期待を裏切られてもいいように予防線を張るのはカッコ悪いよ。」


 残り二十秒。


「言ってろ。俺はお前と違って繊細…ん?なんだ?」


 残り十五秒。


「どうしたの?」

「いや、チラシを入れたポケットが熱い…」



 そして。

 

 そこからの十秒間を俺らは忘れることができないだろう。


 俺がポケットから出したチラシはすでに持てないほど熱くなっていた。

 思わず投げ捨てる俺。

 ひらひらと落ちていくチラシが一気に燃え上がる。

 

 そこまでで五秒。


 燃え上がったチラシがゆっくりと地面に落ちていく。

 その炎が地面に着いたと思った瞬間。

 

「うわ!!」

「なんだ!!?」


 一気に広がり、炎に囲まれた円形の世界が生まれた。








 そして時間は四時になる。









―――――レディィィィィィィィィス

        エェェェェェェェェェェェンド 

           ジェントルメェェェェェェェェェェッッン―――――――  





      ――――お待たせしましたッ!!!


             今こそゲームの始まりですッ!!!!!――――














 そんな言葉とともに、待ちに待った非日常が始まった。


これを書いていたら、上司が後ろに立っていました。

血の気が引きました。


家に帰ってから書くことにします。


誤字脱字感想、お待ちしております。

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