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「少年ウィル」が冒険になろうとするも断られてしまう!?だがそれを助けたのはS級魔法使い「らいやー」と名乗る人物。モンスター討伐をこなし剣と魔法の世界で少年が成長するお話…のはずだった。

始めまして。ほーないと申します。思いつきで始めた物語です。旅の終着点だけは決まっています。筆が進み次第順次更新予定です。

中世エセヨーロッパ地方。皆さんがよく住む世界の過去によく似た世界。だけど、剣と魔法がありダンジョンやモンスターがいる。そんなよくある世界でのできごとをここに綴ります。


私は「らいやー」自分で言うのもなんだが、シアン地方王都にあるギルドの最高峰S級魔法使いだ。私はいつも通りダンジョンからの物資を納品しに受付へ向かっていた。ギルドの扉が音を立てて開く。その扉を開けたのは私のような黒髪に黒目の人間ではなく、黄金を溶かしたような金髪ハッキリとした顔立ち、 碧眼の目は全てを見通すが如く透き通った瞳の少年だ。

彼は自信満々に初心者受付嬢に向かう。見たところ14歳くらいだろうか。あの看板が目に入っていないのだろう。

そうして彼は受付嬢に意気揚々と「目を輝かせ14歳だから登録できますよね!よろしくお願いします!!」と頭を下げ事前に書いて来てたであろう、志望理由やなりたい職業を書いた受付の紙を提出している。なんと恥ずかしい光景だろうか…私もあと1年早ければこうなっていたに違いない…

そして少年は顔をあげ固まった。見えたのだろう。受付嬢の後ろにある看板が。原則保護者が必要であり、理由まで事細かに書かれた看板は彼に冷たいどうしようも無い現実を突きつけているようだった。そうして彼と受付嬢の空気は固まった。固まった空気を破ったのは受付嬢だった。さすがである。

できるだけ無垢な少年を傷つけないように丁寧に「ウィルさん、実は保護者はそ冒険者であればいいのですが、お知り合いの方はいらっしゃらないいのですか?」隣の王都から来たという彼にいる訳がない…のだが…一応念の為聞いてみているようだった。

その言葉を聞いてウィルと呼ばれた少年は辺りを見回し、「探してみます!!!」と受付嬢へ言う。私もすこし遠目に見ているとしよう。

ああ…2杯目のエールを飲み終えたと言うのに、彼はムキムキのゴリラ…Bランカーの方に話しかけ、断られ、ビキニアーマーの女性陣にはまだガキンチョには早いと断られ(おそらく…そういう意味だ…)ビーストテイマー達には犬になるなら構わないと言われ、彼は犬の真似をしからかわれていた。可哀想だ…未だに保護者が見つからないと。それもそのはず、保護者になった者は少年がAランクもしくは、自分のランク以上にならなければ強制的にパーティとして扱われる。当然賃金はパーティ持ちである。ランクが高い人ほど嫌だと言うのは当然で、この場にいるのはみなBランク以上だ。なぜならCランク以下は一日中働かないと飲む暇すらないのだ。とはいえCランクは一般人で薬師の元で働く者など、副業として活動している人が多いのも事実。Cランク以上はある程度ランクに応じて固定給がギルドから至急される。だから決して弱い訳では無い。あげる気がないのだ。

3杯目のエールがテーブルに運ばれてくる。ウエイターもそそくさと逃げるように離れる。私が人間嫌いと知ってのことだろう。

「もしもし!そのこフードの方!」少年の声が聞こえる。私では無いだろう。こんな全身真っ黒フード野郎に話しかけてくるわけが無い。

「すこしいいですか?」ああだめだ。ドールのような美しい少年が目の前の席に座った。

「な、なんよよよようだだだ」一応返事をする。ずっと見てた事を悟られぬように、知らないフリも交えながら、冷静に。少年はすこし緊張した様子で

「僕保護者探しているんです!良ければ僕の保護者になってくれませんか?」

待っていたぞ。その言葉を

(君、なんの職に着くの?剣士?魔法使い?)

脳内シミュレーション的には完璧。

「何ができるの。」素っ気なくなってしまった。

「人を助けられる剣士になれるようにがんばることです。」真摯に少年は答えてくれた。

よく見たところ光属性の適性もあるし、光の剣士とはすこしそそるものもある。この子は強くなるだろうし、ちょうど1人の旅は飽きてた…前衛も欲しい。いいだろう。

おもむろに席を立つ。少年に紙を催促する。

「それ貸して」紙を受け取ると、そこに名前を書く

らいやー

少年は何度も紙と私を見ている。よほど嬉しかったのだろう、「ありがとうございます!」の言葉と同時に受付へ向かっている。受付嬢は驚いた表情でこちらを見ている。

「私が保護者で問題ありませんね?」ちょっ声に力が入ってしまった。

受付嬢がすこし怯えた表情と震えた声色で

「必要な書類にサインをし、必要な能力検定を受けに通路向かいの演習場へお願いします」

まるで命乞いだ。

少年は私のローブの裾を引っ張ると

「行きましょう!らいやーさん!」足早にギルド演習場へ向かう。


金髪碧眼の少年は名前をウィルというらしい

受付嬢の声を後ろに扉を閉め、

「ウィル君と呼んでもいいかな…これから先よろしく」金髪碧眼の彼に話しかける。やはりここは年長者がリードせねば。たしか他のパーティの人間もこういう風に始めていたはず。ウィルは元気よく答える


ウィル「うん!!僕もらいやーさんって呼んでもいいですか?」らいやーさん!?…私の名前を呼んでくれるのは両親以来だろうか。とても嬉しいことだ。

らいやー「好きにしろ。その…ウィル君どうして冒険者になりたいんだ。」目的に沿うように私が導く義務があるから聞いておこう。

ウィル「僕はね困ってる人を助けたいんだ!」先程は保護者が欲しい方便だろうと思ってたが、本気でそうなりたいらしい。お人好しだな。

なんと純粋な答えだろうか…冒険者と言えば一攫千金の職であるのに。眩しい…これが若さか。と言っても私も見た目はさして変わらない。身長は私の方が大きいが。聞けばウィルは14歳で隣の国出身で、今年成人だそうだ。私とは体格は近くても志は大きく違うな。

ウィル「あの…らいやーさんはなんで冒険者になったんですか?」

らいやー「限界を知りたいからかな。」

ウィル「力のですか?」

らいやー「さあ着いたよ、演習所だ」

古びた扉を見るにおそらく酒屋をリフォームしたであろう演習場には1人のタンクトップの男が立っていた

???「ようこそ若人!俺はガッツ!よろしく頼む!検査官だ!」

ウィルに手を差し伸べた茶髪で170cm程の彼は、1年ぶりに見たがゴツゴツした手は変わらず、剣を振っていることが伺える。

ウィル「よろしくお願いします!検査官!僕はウィル!みんなを助けられる様になりたくて冒険者になりに来ました!」手を出し握手を交わす。

ウィルの手もなかなかだ、ガッツほど行かないがあの豆を見ればよく分かる。ウィルも剣を振っている類の手だ。

ガッツが手を握り眉間にシワを少し寄せた。

その瞬間ウィル目掛けて、反対の手で腹部を狙う。恒例行事だ。ガッツの信条はピンチの時に本性が出る。が故だろう。この世界では信条に忠実で正確であればあるほど力が増す。だからあのパンチは相当なものだ。ウィルは不意打ちをくらい壁に飛ぶ…「ぐっ!!」

らいやー「ウィル!!」ウィルは生きてはいるが少し口を切ったのだろうか血が出ている。相変わらず容赦ない。

ウィル「大丈夫です…」お腹を抑え立ち上がろうとする。痛いだろうに。

らいやー「ヒール」緑の陣がウィルを包み光る。あっという間にウィルの痛みは消えたようだった。その証拠にウィルは目を輝かせ

ウィル「すごい!らいやー!それどうやったの!?」

らいやー「これは魔法だよ」背後からガッツが掛け寄ってくる

ガッツ「悪い悪い!!力が入り過ぎちまった!!」ウィルに手を差し伸べる

ウィル「いえ!僕が油断したのが悪いんです!検査官は冒険は油断したらダメだってことを、教えてくださったんですよねっ」

ウィルはなんと無垢であるのだろうか。あれはただのガッツの意地悪だと言うのに。

ガッツもてっきり怒ると思っていたのだろう…意外だったようだ。

ガッツは手を差し伸べウィルは手を取り立ち上がり、服の誇りを払うと

ウィル「検査官!テストは他にもあるんですか?」

ガッツ「その通りだ!賢いなウィル君は!」演習場の隅にあった剣をウィルの足元へ置くと

ガッツ「これより開始するのは適正検査を兼ねた模擬戦!魔法もアイテムも何でもありだ!俺と3分間戦ってもらう」

3分間か。短く聞こえるだろうが、ウィルとガッツでは技量、体格、経験、全てウィルが劣る。もてばいい方と判断しての時間だろうな。

ガッツ「ただし、一つだけダメなことがある、パーティの力を借りることだ!試験にならんからなあ」と言い私の方を見てからウィルに視線を戻し構えをとる。

ウィルも遅れて構えをとる。ウィルとガッツの準備は整ったようだ

らいやー「始め」…私の合図と共に

ガッツが飛びかかる…ウィルは何とか受けたようだ、剣のぶつかる音が響く

ガッツは止まらず2度目の剣を右から振る

ウィルは身をかがめ避け、剣を全体重を乗せて一生懸命で前に振る。遅い。

ガッツはその攻撃を思い切り弾き、体制を崩したウィルに切りかかる。いくら刃が潰してあるとは言えあれは骨が逝くだろう…が

ウィルは自身の弾かれた剣を支点に体を回した。ガッツの攻撃を辛うじて避けている。剣と体が同じくらいだからできる技であろう。魔法なしの私と同じくらいの身体能力だと思っていたが、そうでもなかったようだ、流石剣士志望なだけある。

ガッツは避けられた事に目を少し開くが目はウィルを追う。

ここで20秒。

ガッツの連撃は止まらない。3撃、4撃

ウィルはスレスレのところで全て避ける。

ウィルは分かっているようだ、自分に練習場の剣を振る筋力がないことを。

ガッツはひょいひょい避けるウィルに剣を振り続けるが、手が読まれているのだろうか、勘なのだろうか…当たらない。

これは剣士どうしの戦いというより、逃げる軽量モンキーとの追いかけっこを彷彿とさせる。ガッツの剣をやはり見切っているのだろうか、ウィルと私の目が合う。ウィルは少しはにかんでみせた。余裕なのだう。よく見れば汗をかくどころか、息すら上がってないようだ。ウィルにガッツを指さして集中するように向ける。

杖が光る…時間だ。

らいやー「やめ」

ガッツ「凄いな!全部避けたのか!ウィル君!!正直1分で終わると思っていたが!!」と手をウィルに出す。

ウィルは手を握ると

ガッツは続けて

ガッツ「ウィルくんは剣士職や盗賊職(シーフ)に向いているように思う、握る武器によって役割は大きく変わる!だから自分の信条に会った武器を選ぶことをおすすめする!」ガッツは曇りのない歯を見せグットサインを手で作った。

ウィル「はい!ありがとうございます!」

手を離し、目を合わせると

ガッツ「この先に苦難があろうとも、是非とも折れずに頑張って欲しい!これにて適正検査は終了だ!お疲れ様ウィル君!!」

ウィル「ありがとうございました!」頭を下げ演習場を後にする。

らいやー「武器を買いに行こうか」

武器屋の方に足を運ぼうとすると

ウィルは下を向く。美しい碧眼が見えなくなり、

ウィル「実はお金もってなくて」そう申し訳なさそうに呟く。

らいやー「気にしなくていい、私は強いからお金はある。人は寄らないけど」それに保護者だから当然のことだろう。

ウィルは慌てて両手をバタバタさせて

「そんなこと無いですよ!僕まだここに来て日は浅いですが、見知らぬ子供の保護者になって下さる方ですから」あわあわしているのがハムスターの様で可愛らしい。

らいやー「ふふ」思わず笑ってしまっう。

らいやー「ありがとう。とにかく、遠慮はいらない、私のパーティメンバーである事が恥でないようにしたいだけ。」

らいやー「着いた、ただ私は剣や武器に詳しくない。」といいながらボロ屋の扉を開ける。

そこには何も無かった。

ウィルは身構える…もしかしてこの人僕を誘拐しようと!?という表情だ。

らいやー「ちがうちがう!身構えないで。みて」杖床へ向ける

らいやー「解除」

うっすらと黄色の光が杖に灯り、瞬く間に沢山の箱が現れた。

らいやー「ここは私の倉庫で。ここ剣があるはずなんだ」背後から声が聞こえる。

???「らいやー様お久しぶりでございやす」後ろを振り返ると亜人種…緑色の皮膚に鱗、2メートルは超えるであろう巨体のトカゲが立っていた。そして、手には金槌。

らいやー「紹介するよ、私の友人。と言っても1年ほどだが、トーカさんだ」らいやーさんに友人…以外と言った顔をウィルはした。

トーカ「よろしくね!坊や、あたしゃトーカ、見ての通りリザードマンた」女性だった差し出された爬虫類の手。僕の住む国ではありえない事だ。ウィルはおずおずと手を差し

ウィル「僕はウィル。初めまして!14歳です!」金髪が揺れる。


トーカ「らいやー様急に呼び出したってことは、剣の依頼ですかい?」

らいやーはウィルを見て

らいやー「そう、ウィルだけの剣にして欲しい」

トーカもウィルを見て

トーカ「まかせな!」もりっと筋肉をみせる

そうしてトーカはずいっとらいやーの倉庫の奥まで入り手当たり次第に箱を開け始めた。

ウィル「らいやーさん、この箱はいったい…」

らいやー「これは私のコレクション。ダンジョンやモンスターが持っていたものとかだ」私がこれだけの数を1年で集めるのは骨が折れたけどね。

ウィルは目をキラキラさせて

ウィル「らいやーさんってすごいんですね!」私はすこし目を逸らして頬をぽりぽりかいた。

らいやー「ま、まあ」

ウィルがフードの下を覗き込むようにして

私の顔をじっと見る

ウィル「ひょっとして照れてますか?」すこし耳が痒い。

らいやー「と、とーか!何かいい武器は?」なんとか話題を変えよう。ウィルは眩しい。

トーカ「ありやすとも!これだけあれば暗黒竜くらいなら目じゃない!」様々な素材と剣を集めてトーカは不思議な袋に詰め込んだ。

トーカ「ジャ!あたいは届けてくるよ!これはドワーフおじちゃん達も腕がなるだろうからね!」あっという間に駆け出した。その後ろ姿はあっという間に見えなくなった。

らいやー「彼女足が早い。よく素材運んでくれる。次必要なものまだある。」薬屋、防具屋は絶対にライセンスを受けると前に行っておきたい。

ウィルと足早に各店へ向かい必要なものを揃える。


あっという間に日が落ち始めた



初めての作品です。これはまだまだ序章です。これから先沢山の冒険者とウィルの成長を世界の行末をご堪能ください。

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