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君の瞳は桜色

作者: 桑原大樹

登場人物

星川ほしかわ 輝星きらら  この物語の軸となる人物

永井ながい 竜生りゅうせい この物語の主人公

星川ほしかわ 未来みく   輝星の双子の姉

①回想

俺は夢を着ていた。小さいころであればだれもがしたことがあるだろう夢だ。泣いている女の子に「僕が、大きくなったら輝星ちゃんと結婚して、絶対幸せにしてあげる。約束する。だからそれまで待っていて。」と言って指切りをした。輝星ちゃんは「りゅうくん絶対だよ。」と言った。そのときの僕は5歳。親の転勤で幼馴染の輝星ちゃんと別れることになった。

②私の過去

私、星川未来は小さいころからだが弱く外に行くことができなかった。そして双子の妹の輝星が今日あった出来事を話しているのを聞くのがとても楽しみだった。そして、毎回輝星の話に出てくる「りゅうくん。」の存在が気になっていた。本名を永井竜生ということ、そしてお母さんの携帯の中に入っている、輝星とのツーショットでの顔以外ほとんど知らなかった。私も仲良くなりたいと思ったが、外に出れない体だった私にそれはかなわなかった。小学生になって外に出れるようになったが、そのころには引っ越していて会うことはかなわなかった。

③再会

高校生になり俺は小さいころに住んでいた場所に戻ってきた。日曜日、スーパーに向かっている途中、一人の女の子が目についた。その女の子はピンク色の目をしていたのだ。俺はようやく見つけたと思い、その女の子に話にかけにいった。「輝星ちゃん、久しぶり。俺のこと覚えている?」と聞いた。すると少し間があって「竜生だよね、久しぶり。」と言われた。昔はりゅうくんと呼んでいたのに今は竜生と呼んでいるのに違和感があったが、再会できたことと輝星ちゃんが覚えてくれていたことがうれしくて、構わず話し続けた。「今日、家に遊びに行っていいか?久しぶりにおばさんにあいさつしたいし。」輝星は「ごめん。少し家の中バタバタしていて来週の日曜日ならいいよ。」「わかった。じゃあ来週日曜日遊びにいくね。」と言って俺は再びスーパーに向けて歩き出した。

④やっと会えた

日曜日、私は、本を買いに外を歩いていた。するといきなり反対から来た男の子が駆け寄ってきた。私は怖くて逃げだしたくなったが、恐怖で足が動かなかった。すると男の子が、「輝星ちゃん、久しぶり。俺のこと覚えている?」と声をかけてきた。私はなぜこの男の子は輝星のことを知っているんだろう?そして久しぶりってどういうことだろうと考えて、顔をよく見てみたら写真で見た流星の面影があった。誰か判明した私はそして、「竜生だよね、久しぶり。」と話を合わせてしまった。立て続けに流星が家に来たいといったときに荷は驚いたがぼろが出ないように来週にしてもらった。

⑤後悔

私は、書店から家に戻って後悔していた。なんでとっさに輝星として接しちゃったんだろう。その方が仲良くはなりやすいけど、私が輝星じゃないと知ったらどんなにがっかりするだろう。そして、輝星に合わせてほしいなんて言われたら、去年死んじゃったことも正直に話さなければいけないし。私は葛藤して、このまま輝星として演じ切ることを決めた。私は竜生に輝星じゃないと気づかれないようにしなければいけないと思った。そしてお母さんと長話しているうちに話題が出る可能性を考えた私は、流星が来る日曜日に一計を案じることにした。

⑥日曜日

俺は輝星の家の前に立っていた。インターホンを押すとすぐに輝星が出て、家に招き入れてくれた。輝星は「竜生、早く。」と俺の腕を引っ張って部屋の前まで連れて行こうとしたため、一緒に玄関来ていたおばさんには、「お邪魔します。」と簡単な挨拶しかできなかった。部屋に入り、俺は輝星と話した。昔、輝星の部屋に入ったことがあったがその時はモノが少なく、少し寂しい感じがしたが、今は違い、ぬいぐるみやアクセサリーなどで部屋がいっぱいのとても女の子らしい部屋だった。俺は気になっていることを聞いた。「なんで昔みたいにりゅうくんって呼んでくれないの?」と聞いた。輝星は、「この年にまでなってそう呼ぶの恥ずかしいじゃん。そして、竜生が私のことを普通に輝星って呼んでくれるから私も合わせた方がいいと思ったの。」と言ってきて俺は一理あると思って納得した。そこから輝星と数時間話してから俺は帰った。俺は久しぶりに輝星と話せて満足だった。

⑤仲間

私は竜生が帰ってからお母さんに呼ばれた。「なんでゆっくり竜生君と話させてくれないの?それといつそんなに仲良くなったの?」私は隠すのは無駄だと悟り、竜生に私が輝星に成りすましていること、今日話させなかったのは輝星が死んだという話をするかもしれないと思ったからだということを正直に打ち明けた。お母さんは「理由は分かった。未来はそのまま輝星のふりしてて。輝星がね、竜生が気が付かないのであればそのままお姉ちゃんが私のふりをしていて。その方が竜生が悲しまないからって言っていたから。」私は死ぬ前まで他人の心配をするなんて優しいなと思った。それと同時に輝星の思いを無駄にしないように気づかせないようにしないと心に誓った。私はこれでお母さんが輝星のことをしゃべらないと確証を得られた。

⑥変化

それから毎週、竜生は家に遊びに来た。お母さんがしゃべらないと確証を得た私は先にお母さんと竜生をお話しさせた。十分ぐらいして竜生が私の部屋にあがってきた。その日も気づかれることもなく、一か月しても気づかれることはなく、これからも気づかれることはないと私は確信した。

⑦違和感

俺はこの一か月、輝星と一緒にいて、考えたことがある。会っているのは輝星じゃない別人じゃないかということだ。上手く言えないけど、昔会った輝星とは少し違う気がした。しかし、確かめようにも、もし輝星本人だったら、今の輝星を否定してしまうことになる。そう考えると確認することはできなかった。そして何より、輝星じゃなくても話していてとても楽しい。

⑧確信

毎週のように遊びに行っていたある日のこと。地震が起きた。急いで僕らは、机の下に入った。揺れがおさまって少しして、輝星のお母さんが上がってきて、ドアを開け、「未来、大丈夫?」と声をかけた。その問いかけに隣にいた輝星は、「大丈夫だよ。」と答えた。その時、隣にいるのは輝星じゃないと確信した。俺は2人に問いかけた。「未来って誰?」「輝星は何処にいるの?」と。2人は顔をハッとさせた。そして輝星のお母さんが話し始めた。「ごめんね。騙すつもりはなかったの。落ち着いて聞いてくれる。まず、未来は輝星の双子の姉で、今竜生君の隣にいるその子。そして輝星は去年、交通事故で死んでしまったの。再度言うけど騙すつもりはなかったの。輝星が死ぬ前に竜生君が悲しまないようにって言って、もし竜生君が未来を私だと思ったらそのまま未来に私の振りをしてって頼んでいたの。」僕はそれを聞いて、一瞬固まってしまった。輝星が死んだその言葉が衝撃的すぎた。輝星のお母さんは僕に「ちょっとついてきて。」と声をかけて隣の部屋を開けた。そこには仏壇があり、遺影が会った。そして、そこには笑っている輝星が写っていた。僕は仏壇に近づいて泣き出してしまった。もう輝星には、会えないと痛感した。

⑨バレた嘘

私は、嘘がバレたことで竜星が部屋を出た後、放心状態になっていた。少しして、流星が戻ってきて私は、流星に謝らなければならないと思って流星に謝罪をした。「流星ごめんね。いくら輝星のお願いといってもだましてしまって本当にごめんなさい。」私は誠心誠意謝った。「別にいいよ。俺も最初気づけなかったし。それに輝星の最後のお願いなんだよね。だから未来ちゃんは悪くないよ。」私はそう言われて罪悪感から泣き出しだしてしまった。そんな私を流星は優しく抱きしめてくれた。私は流星のことを好きになったと確信した。

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