プロローグ 〜ケサランパサラン転生〜
どうもはじめまして、真白です。白いから真白……安直ですが、可愛いので気に入っています。
白い? どこが?
身体というか、全身が。なんせわたし、ケサランパサランなので。
あ、ここの背景、白いと同化しちゃうんで、可愛いパステルカラー辺りにしておいてください。
ちなみに、ケサランパサランとは、江戸時代以降の民間伝承上の謎の生物とされる物体。外観は、タンポポの綿毛や兎の尻尾のようなフワフワした白い毛玉とされる。
ウィ◯ペディアより抜粋。
***
元々、日本に住む、ごく普通の人間だったわたし。当時、二十歳。
通勤途中、対向車線をはみ出したトラックに正面衝突されたことは覚えている。大型トラックだったので、わたしの軽自動車はひとたまりもなかっただろう。
気が付いたら、見知らぬベッドの上。病院ではない。なんせ、見知らぬイケメンが目の前で寝ていた上、自分は丸いフォルムのふわっとした白い毛玉になっていたから。そこでわたしはあの時に死に、ラノベによくある転生とやらをしてしまったのだと仮定した。
ただの夢かもしれないけど。
でも、これが死後の世界……だとは思えないなぁ。
***
「おはよう、真白」
目を開けたイケメンに言われて、わたしの名前は真白だとわかった。
この目の前のイケメンも現実離れしていた。染めたようには見えない綺麗な銀髪に、アイスブルーの瞳を持つ。見たことがないくらい整った顔。顔面国宝どころか、顔面世界遺産。
それでも、このイケメンの見た目は完全に人間だったので、わたしははじめ、このイケメンに飼われている謎のペットだと思っていた。実際には、父親だったんだけど。