歓喜の唄
右手にはペン、目の前にはノートとスケッチブックを広げて、ついでにギターまで抱えてる。
言葉も絵も曲も、思いつき次第何だって書き出せる。
欲張りな私は、何でもやりたい。
だけど、何をするにも燃料が必要だから。
左手にはマグカップ、引き出しにはお菓子を詰め込んで、本棚には尊い百合漫画も並んでる。
憂鬱を吹き飛ばす、私のエネルギー源だ。
糖分が足りない。
糖分が足りないよ。
糖分が足りねえんだよ!
私は叫んだ。引き出しの中の燃料を引っ掴んで、むしゃぶりついた。
おいし、おいし。チョコだよ。チョコレートだよ。お菓子の王様だよ。
ほのかな苦味の殻を、内側から食い破る勢いで広がる、蕩けるような甘みの愛おしさ。
嗚呼、天にも昇る夢心地。
最高だ。あんた、最高だよ。
イチゴでティラミスでチョコパイだ。最強だ。
いくら食べても太らない私の体質にバンザイだ。
妹や友人たちから顰蹙を買うまでがセットだ。ハッピーセットだ。
太らないのは多分、普段から脳をフル回転させて糖分を消費しているせいだ。
主に妄想でな!
しかし近頃は魔法も解けてきたようで、心なしか脇腹がぷにぷにしてる。
おっと、この話は私とあんただけの秘密だぜ。
約束だ。指切り玄米茶。