ご利用は計画的ににゃ
マドカの変身した姿はこちらです(外部サイト)
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集円竜エンドラゴンの姿はコチラ(外部サイト)
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両手が燃えるように熱い。
比喩表現とかではなく、実際にゴウゴウと燃え盛っている。
まさに爆炎、爆ぜる火の粉すらも心を灯し、勝利を掴めと道を照らしていた。
「ふごぅ!? ぷひぃぃ!!」
まずは右の拳がスカンピッグの顎をかち揚げ、頭上高くへと身体を浮かせる。
続くように左の拳が、重力に引かれて落ちる敵の土手っ腹にぶち込まれた。
黄金に輝く、黄色い焔のワンツーラッシュ。
しかしこれはまだ序の口、ただの挨拶代わりに過ぎなかった。
「その腹に詰めた有り金、ジャリンジャリンと吐き出せにゃぁ!!」
空中で身動きの取れないスカンピッグの腹を何度も打ち揚げ、息をつく間も与えない。
「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ!!」
そのまま右・左と交互に腹を叩かれて、貯金豚の腹に詰まったなけなしの小銭がチャリチャリと悲鳴を上げていた。
やがて跳ね上がった硬貨は、背中の穴からコロンと飛び出し辺りに散らばっていく。
「これで、トドメにゃす!! このマネーファイト、ガッポリ稼いで円く収めたアタシの勝ちにゃぁ!」
「ふごぅ!! ぷっきゅるりぁぁぁぁ!!!」
もはや腹の中は空っぽだ。
別れの駄賃とばかりに一際腰を深く落とし、身体のしなやかさをバネにして全身を跳ね上げる。
その突き出した渾身の右アッパーがスカンピッグを天高くへと吹き飛ばし、キラリと輝く星を残すのであった。
勝負は決した。
ゲームらしく、勝利のファンファーレがどこからともなく鳴り響く。
『3000円の声¥札が投げられました』
『500円の声¥札が投げられました』
カメラ越しに見ていた視聴者も、華麗な勝負を称賛して金を投げているようだ。
まさに順風満帆。
この調子で闘い続ければ、あっという間に生活資金は貯められるだろう。
一時は現実世界の自分の生死すら掛かっていたゲームであったが、やってみればなんというヌルゲー。
「にょほほほ! これからも、ガッポガッポと稼いでやるにゃす! 見てろにゃ世界! 見返しちゃるにゃ現実! 今のアタシに敵は無しにゃぁ!」
人生とはこんなにも楽なものであったのか。
そんな浮かれた気持ちを引き裂くように、アナウンスの冷めた言葉が流れだした。
『必殺技の利用料金が支払われます』
「にゃ? 利用料金……? いったいニャんのことにゃ」
何も買った覚えなんてない。
ただ勝負に勝っただけだ。
不思議に思っていると、左二の腕と右太ももに着けた¥ゲージリングが不穏な音を上げ始める。
出始めは高音だが、すぐに低音へと変化していく。
さらには、青かったゲージがどんどん減っていき、残り僅かで赤く点滅するまで縮んていったのだ。
ピコピコと悲壮感漂うピンチな警告音を発しており、詳しくなくとも直感でヤバそうだと認識できた。
「ぶにゃ!? すっごく嫌な予感がしてきたにゃす……!!」
『¥ドレスの維持費用が確保出来ません。 至急、残高を確認してください』
そのアナウンスが終わるや否や、全身を包み込む白いピッチリスーツが溶けるように消えていく。
「ギニャァァ!! どうなってるのにゃ、クソトカゲぇぇぇ!!!」
残った服といえば、両手両脚の具足と¥ゲージリングだけ。
大事なところを隠せるものは何もない丸裸だ。
『10000円の声¥札が投げられました』
『8000円の声¥札が投げられました』
機械的に流れる投げ銭の報告を耳にしてハッとなる。
そうだ、この姿もカメラ越しに見られているではないか。
気が付くのに一瞬遅れて、赤裸々な自分を完全に見られてしまっただろう。
そのせいか、視聴者達は勝利時よりも大盛り上がりだ。
明らかに投げている金額も大きい。
分かりやすいスケベどもめ。
「んにゃぁぁぁ!!! バカあほ間抜け!! 見てんじゃニャいにゃ!!」
慌てて身体を隠すが、もう遅い。
前を隠せばカメラが裏へと回る。
頭隠して尻隠さず。
バッチリこちらも撮られただろう。
『9000円の声¥札が投げられました』
『10000円の声¥札が投げられました』
「あ゛あ゛あ゛あ゛!! もうどうすりゃいいのにゃ!!」
やはり撮られているようだ。
投げ銭が分かりやすく盛り上がっている。
だが、投げ銭が増えるにつれて、¥ゲージリングの警告音が消えてゲージが増えていることに気が付いた。
『¥ドレスの維持費用が確保されました。 保護を実行します』
再びのアナウンス。
今度は先程とは逆で、金が用意できたと言っている。
まさかこのスーツ、お金が掛かるの……?
「お、おぉ……!! スーツが直っていくにゃ!」
やはりそうだ。
身体から湧き出るように、白いスーツが広がっていき、全身を首元まで覆っていく。
厚みはまるで無いが、やはり肌色がみえているよりもずっと安心する。
こんなのでも、あるとないとでは恥ずかしさが段違いだ。
『ゼニャハハ!! オレ様の話を最後まで聞かないから、そういうことになるんだガネ! 少しは懲りたカネェ?』
今頃になって、ようやく端末から頭を出したエンドラゴンがニヤついている。
こいつ、知っていてわざとダンマリを決め込んでいたのか。
本当に性格の悪いトカゲだ。
「なにが懲りたにゃ! 誰のせいだと思ってるにゃす!! こいつめ、こいつめ!!」
『グェェェ!! だ、だから振り回すのは止めるガネ!!』
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