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手に入らないものたちシリーズ

手に入らない愛だからこそ

作者: リィズ・ブランディシュカ



 愛してほしい。

 愛してほしい。


 こっちを見て、私に愛をささやいてほしい。


 けれど、望遠鏡越しの貴方はいつも、私ではない何かを見て、誰かを見ている。


 片思い、恋焦がれ。

 焦がれすぎたから、心が焦げついていく。

 けれど焦げついた分だけ、思いは強くなる。


 育った愛の大きさに私は涙を流し、歓喜する。


 遠くから思うからかこそ、手に入らなかった時間が長いからこそ、ここまで愛情が育った。


 愛は洗練される。

 想いは膨れ、進化し、気品を孕み、尊さを身に着ける。


 私にとっての愛は絶対。


 唯一無二。

 正義。

 神。


 私は望遠鏡から視線を外して、貴方の元へ駆け出していく。


 だって、部屋のテレビが愛をつぶやいたんだもの。


 愛をもって伝えられたのなら、私もそれに愛でこたえなくちゃ。


「部屋にひきこもっていないで、若者はもっと外に出るべきなのです。それが――の愛情」


 そうね。

 馬鹿らしい。


「伝えたい事は言葉にしないと伝わりません。貴方の気持ちをメッセージカードに記しましょう。――へ愛を込めたサプライズに」


 ええ、その通り。


「――への愛は、触れ合う事で親近感を抱いてくれるかもしれません。これが恋のテクニックです!」


 やっぱり、こんな風に遠くから見つめるんじゃなくて、現実で触れ合って、言葉を交わすべき。


 私を見て。

 私を愛して。

 この私だけを。


 貴方は私を見て驚いた。


「やめろ、来るな! 次に俺の前に出てきたら警察呼ぶっていっただろ!」


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