おとなのゆか
きょうはうれしいことがあった。
ほいくえんのじゅうたんが、ぼくのだいすきなかめんらいだーになったのだ。
おひるねのとき、ぼくはかめんらいだーのうえでねられるように、だれよりもはやくふとんをしいた。
それぐらいぼくはかめんらいだーがだいすき。
きょう、ぼくはだいはっけんをしてしまった。
きょうはとてもあつくて、ほいくえんではぷーるもしたけど、へやのなかにはいるとあつくてたまらなかった。
おひるねのじかんも、かめんらいだーのうえでねたけど、ぜんぜんねむれなくてとちゅうでおきてしまった。
ぼくはせんせいに「おしっこ……」といって、おきるいいわけをした。
やさしいまみせんせいが「いっしょにいこうね」っていって、てをつないでつれていってくれた。
おしっこはぜんぜんでなくて、せんせいはぼくをへやにつれもどそうとしたけど、ぼくはねむくなかったから、まみせんせいからにげてせんせいたちのへやにはいってみた。
せんせいたちのへやはぼくたちのへやとちがって、かめんらいだーがいない。
でも、ぼくはきづいてしまった。かめんらいだーがいない、せんせいたちのへやのほうがすずしいことに。
せんせいたちのへやはただのゆかだったけど、ただのゆかのほうがつめたくてきもちがいいことに。
これはきっと、ぼくたちこどもにせんせいたちがかくしてるんだ。
でもぼくはしってしまった。
おとなのゆかというものを。