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へたれダンマス奮闘す  作者: 南雲司
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天空の駿馬

スルスミかセキトバか

[棒術]

 教官のして見せていたのはごく基本的な米の字を書くように棒の先端を振る事で、アサミが大学時代までやっていた薙刀とそんなには変わらない。(大学時代?)なんだか違和感がある。この体は十四歳でしかない。大学に通っていた筈はないのだ。


「おっと、集中」

 移動なしで振る立ち振りだ。

 大分長い間振ってなかった体では集中しないと手振りになる。

 真っ向から切り下ろし刃を返して切り上げ、左袈裟、左逆袈裟。

 右袈裟はそのままでは振れないので、

 振り上げた時に石突を体の左側に交わす違えの技法を使う。

 右逆袈裟で右に戻し、半歩進んで…

「やー!」突きを放った。

 観ている皆がどよめく、キャーキャーいってないか?

「あ」

 最期の突きは教官やってなかった。やば。


「武道やってたのか、なかなか良い捌きだったが、棒には刃が着いてないから返す必要はないね」

「つい、癖で」

「グレイブかな?そっちは専門外だから棒術を覚えてくれ」


[スキルアップ]

 虎治がダンジョンに帰ると、コアがご立腹だった。

「えー、みてたのー」

 例の二回捻りの事だった。

「当たり前です、保護者としては悪ガキを監視する義務があります」

 虎治の土下座スキルが上がった。


[交渉]

 (ふね)が欲しいの?サルーは聞き返した。

 森人の長は腰痛が酷くて、補佐の若いのが来て強襲艦をくれという。

 なんに使うの?森の防衛なら普通に丸太で間に合うでしょ。

「ユクダ息子 エルフ ナイだった エルフ若い 怒るだった? (おさ)腰イタイイタイ」

 すまん、さっはりわからん。通訳頼む。面倒くさそうな顔するなよ。

「飛竜討伐に参加できなかった若い衆に突き上げ食らって、長は仮病引き隠り」

 それと、強襲艦何の関係が…。

 て、今頃、その話かよエル…森人は気が長いな。

「この次は行けるぞと言うポーズ」

 通訳嬢もいまや結婚して通訳夫人だ。お相手は長の息子と聴いたが、このひょろいのがそうなの?

 若いな、まだ十代にしか見えん。尤も森人だから実年齢は…。

「エルフも二十歳(はたち)過ぎる迄は年の取り方は人と同じ」

 あー、そいやそんなことも聞いたな。

 じゃまじでティーンかよ。

 て、結婚したら森人って言わなくて良いのか。

「当然」

 さらりと髪を掻き上げると尖った耳があった。

 げっ、森人耳!そんなに簡単にエル…森人になれていいのか!

 パラリと髪を戻すと、引っ掛かったのか、耳が落ちた。

 つけ耳じゃねーか。


[丸太]

 長の息子は、対価として木馬型の丸太気球を四機用意していると、言った。

 ぶっちゃけ、人族に乗りこなせる物じゃないと思うんだけどね。

 まあ、研究には使えるか。

「買い物に便利」

 え?通訳様乗れるの?


 丸太気球にも欠点はある。気室が剥き出しのため速度に制限が掛かる。豊富な魔力を持ってないとまともな機動が出来ない。

 それをなに、もと冒険者とは言え、ごく一般的な女性でしかない通訳嬢改め通訳夫人が乗り回していると?

「インメルマンターンとバレルロールは得意」

 それ出来たら空戦出来るじゃないか。

「ネーネさま 撫でるする 丸太 カンタン 子ども クルクル」

 あー、なんとなくわかるぞ。

 シャオが弄って子供でも曲技飛行ができるようにしたのね。

 どこまで天才なんだ。

 まあ、俺の嫁なんだが、ムフフ。


 そういうことなら、まともな交渉しましょうか。

 四機じゃ足りないね、どうせ新造艦よこせとかいうんでしょ?

 しかも、丸太載せる母艦仕様だ。

 神樹から離れるの前提だから、でっかい魔石が必要だ。

 あ、それは自分等で用意するのね。

 まあ、それでもそれ用の改装はしなきゃなんない。

 結構お金と手間が掛かるのよね。

 でさ、これくらいでどう?

 結構吹っ掛けた。

「わかた 丸太 十と二 ヨコス」

 即答だった。

 あれ?もっと吹っ掛けれた?


[女性用丸太?]

「これは女性用」

 十二機の木馬型丸太が届いたと言うのでシャオと連れだって工厰に出向いた。

「女性用とは劣化版て事か?」

 工厰長が眉根を寄せる。

 (かぶり)を振ってシャオ。

「動き出しが柔らかい。高Gの吸収値が高い」

「むしろ高性能か」

「速度制限が大きいから、トータルで同じくらい」

 運動神経や反射神経のやや劣る人族に配慮したのか、丸太にしては扱いやすいタイプのようだ。

「しかし、ちいせいな、エルじゃねえや森人はこんなので勇者軍を撃破したのか」

 圧倒的な機動性能、速度も当時勇者軍が使用した羽気球を遥かに凌駕していた。

 しかし丸太には武装は付いていない。森人は得意のエム字型の短弓エルヴンボウで戦ったのだ。森人の高い魔法付与能力があって始めて可能な事ではある。

 そのままでは人族には使えない。衆議は一致した。


[木馬]

 大雑把な形は、子供が股がって、前後に揺すって遊ぶ遊具をイメージして貰えば分かりやすい。真ん中より大部前に鞍座(ざせき)があり後ろに噴進器が載っている。

 舵は付いてない。機体の姿勢と気室の後部を変化させて機動するようだ。ヨーの制御はどうしてるんだ?

 前部がヘラ状に持ち上がっていて、馬の首に見えない事もない。風防代わりの真空シールドを展開する際のガイドだろう。

 側面からは左右二本づつ四本の脚が、踏ん張るように出ていて、二枚の橇を履いている。子供の遊具を連想する所以だ。

「橇の間で良いんじゃね?」

 火器は胴体の下にぶら下げる事になった。

 気室の展開とか、表面の木目を伝って流れている魔素ラインと干渉するが、それを何とかするのが、工厰の仕事だ。

「おう、任せてくれ」

 いつもいつも、頼りにしております。


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