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へたれダンマス奮闘す  作者: 南雲司
14/18

幼子の行方

本日二話になるのかな?日付がはっきりしません

[承前]

 そこには廃城があった。天守や塔につどっているのは風竜でその上空を舞っているのもやはり風竜に見えた。数は…


[婚約]

 結局、姫太子を招く事になった。コアにとっても悪い話ではない。招くのは話を詰めるためで、纏まるまでは清い関係でいる事が条件ではある。条件を担保するのに、双方、虎治とサスケラにそれぞれ[嫁達]数人が付けられた。


「イーバラクの姓を残したいと?」

 問題ない。ダンジョン側にとって姓などただの符丁に過ぎない。ところが何も考えていない筈の虎治からクレームがでた。

「えー、鏑矢も残そうよ。長男は鏑矢で」

 サスケラも同意したが、コアが反対した。

「イーバラクは、イバーラク王家の姓です。それを次男以降に継がせるのはイバーラク全体をかろんじる事になります」

「そうなの?」虎治はサスケラを見る。

「ふむ、確かに異を唱えるものが湧いて出そうだな」

「じゃ次男でいいや」

 ちゃんとしたマスターのいるダンジョンは一国に準ずると見なされる。虎治としては、ただ女の子とベッドで仲良くしたいだけなのだが、相手が元とは言え王族ともなれば、きちんとした形式を踏まなければならない。

 虎治はサスケラを正室として迎える事になった。

「もう、ベッド行って良い?」

「式が終わるまで駄目です」

「えー」


[雲上の島]

 ヴァルハラ、森人空軍の旗艦、新鋭強襲艦の名である。その艦橋にシャオの姿があった。まて、なにかおかしいぞ。良く見れば顔に木目がある。

「ネーネックヮイラタリツキドーン(巫女様、そろそろ到着します)」

 女性艦長が語り掛ける。高度は二万メートルを越える。空技厰(空軍工廠の別名)の技官達が知れば眼を剥くだろうが、実は森人に取って大した高度ではない。

 準備なしでは無理だが、成層圏を越え宇宙に飛び出すことも可能だ。


 森人達には、寧ろ、なぜ人族達がこうまで苦労しているのかがわからない。実の処、それだけ魔素の扱いに差があるのだ。人族はそれを魔石で補おうとするが、その魔石を豊富に抱えているのも、また森人なのである。

 前方の雲上に島陰が見えてきた。


[アサミ]

 アサミはミスをする。休暇中の事とて実機大の模型(モックアップ)を使っての空中作業の練習だから問題無い、と言えば無いのだが、相方のマリコが膨れている。

「ごめん、もう一回」

「止めた方がいいよ、集中できてないし、変なくせ付くだけ」

 やっていたのは、マリコの手信号に合わせて舵を当てる作業だ。模型とは言っても飛ばないだけで操縦系統は実機と同じになっている。

 手信号は右に流れたとか、今度は左とか、気流が巻いていると想定してのシミュレーションだ。やらなくても問題はないが、やっておけば慌てずに済む。しかし、変な癖が付くならやらない方がいい。

 マリコは思う。(サーちゃんに先越されちゃった感じ?)アサミが虎治にベタ惚れなのは親友の眼からは一目瞭然だった。


[帰投]

「タックルシー(全機攻撃せよ)」

 司令を兼ねる艦長の号令で攻撃は始まった。しかし、あまりにも数が多い。撹乱のために魔素を散らして隠蔽で隠した丸太の位置を分かり難くしているから、どうにかなってはいるが、予想よりも魔法防御が高い。何頭も倒せないだろう。


 シャオの同期した木目人形が告げる。

「強行偵察の目標は達成、帰投を進言する」

「ウー(了解しました)」

 風竜達は何があったのだろうといぶかしんでいた。突然魔法が降ってきて頗る不快だった。何か居るのは分かるのだが何処にいるのか何故か曖昧だった。和子様にお伺いや、しかし、最後に和子様の声を聞いてからもう百年は立つ。


[政治]

 サスケラは着せ替え人形になっていた。嫌がる風でもなく鏡の前で得意気にポーズ等取っている処を見ると、気に入っている様だ。

「これはなんと言う服なのだ」

「ナース服でございます、殿下」

「殿下では、もうないぞ」

「いえ、虎治さまのご婚約者におなり遊ばしました。敬称は殿下で御座います」

 コアの声が弾んで聞こえるのは気のせいだろうか。


 ハーレムにも序列はある。一般には血筋とかを考慮しないで良い場合、可愛がられる度合いの高い順がそれではあるが、虎治ハーレムでは少し違う。

 距離感が近すぎるため、女子特有の平等に扱えよ、ごら、ルールが発生してしまう。しかし、それではハーレムは成り立たない。平等に扱う事等、不可能なのである。

 そして、ハーレムは崩壊する。

 なので拠り所としてコアがいる。

 コアは虎治より偉い。

 序列を決めるのはコアなのである。

 そのコアがサスケラを正室に据えた。


「ねえ、アサミは?」

 ひとは三人集まれば政治が発生する。意識的にではないにしろ、なんとなく対抗馬になりそうな者の処に集まるものも出る。サスケラが登場するまで筆頭と目されていたアサミが、例えば、そうである。


[天空の城]

 天空の城は思っていた通り、ほぼダンジョンで間違いないだろう。

 すると、幼子とは、結節点か、プロシージャか、マスターか、ということになる。

 泣いている幼子、最近何処かで見た。

 同じパターンならマスターを失った結説点だが、プロシージャはどこに?

 兎に角、歪なダンジョンならコアルーム、森なら神樹のウロ、に当たる処、裸の特異点に行かないことには要領を得ない。


 シャオはそう結論付けた。


虎治「ねえ、コア」

コア「なんですか」

虎治「じゃ、風竜ってダンジョンの眷族?」

コア「竜種自体、元々何処かのダンジョンの眷族ですね」

虎治「そうだったんだ」

コア「他に、オーク、ゴブリン、コボルト、etc.」

虎治「あー、なんかわかってきた」

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