表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
へたれダンマス奮闘す  作者: 南雲司
12/18

薔薇の想い

なんとBL回(嘘)

[台無し]

 ミーティアは、最も近い退避点である歪なダンジョン上空で練習生達を待った。ひっきりなしに遠話を飛ばしながら、自分が囮になるべきではなかったかと言う疑問と戦っていた。

 ぐに外翼を失ったアサミが合流して、その次に死んだ者と諦め掛けていたサスケラの遠話が届いた。暫く待ったが虎治からの連絡はない。

 しかし、虎治のハーレムの一員とされているアサミに焦る気配はない。最悪でも死に戻れると知っているからだが、ミーティアは知らない。なので不思議に思う。

「心配じゃないのか?」

「マスターいえ、虎治練習生が墜ちる事はあり得ませんから」

「そうだぞ、教官、あれは英雄になる男だ」

 サスケラの脳裏には先達の英雄サルーの顔が浮かんでいる。

 サスケラも合流し、暫く旋回して、ミーティアが(だけが)諦め掛けた頃、虎治からの遠話がとどいた。

「皆、どこ~?」

 迷子になったらしく、泣きべそ声で色々台無しだった。


[ウィウォンチュー]

「辞表?」

「大事な候補生達の命を危険に曝した、責任をとる」

貴官あなたの教練あってこその全員生還、寧ろ誇るべき」

 校長室の外で会話を聴いていたら、誰が何を言ったのか良く分からなかっただろう。シャオとミーティアは語り口だけではなく声質も良く似ていた。

「そも、私の我が儘からの出撃」

「優秀な兵が逸るのは、自然。そも、と言えば正式な命令、責任はサルーにある」

「なにより」

 シャオはここで息を切り、ビシッとミーティアを指差した。

「うぃー うぉん ちゅー」

 ミーティアは曹長で任官された後、この度の偵察、戦闘、何より僅か半年程でベテランに匹敵する搭乗員を育てた事を評価され、准尉に昇進した。戦闘が有ったのだからと、強引に戦時任官を適用したのである。


[ナカノウィング]

 アサミは、工厰に出向いていた。外翼だけを消し去り残った境界面を強化すると言う荒業はこれ迄になかった。というのも、引き起こすのであれば翼面積は大きい方が有利で、制限速度を越える急降下の例もなかったからである。

 それ故、状況を詳しく知りたいと呼び出されたのだ。勿論の事、そのような方策はマニュアルにも載っていない。とても一介の練習生に出来得ると思えなかった事も工廠の興味を引いた。

「嬢ちゃん度胸あるなぁ」

 簡単なスケッチで、ここで翼面フラッターが起きて、ここで外翼消去と界面強化をして、とあらましを語ると多分とても偉い人に誉められた。

 この方式は幾つもの改良の末、鷲型にも取り入りられ[ナカノルーティーン]と呼ばれる様になった。特に、一瞬で外翼を消せるように、内翼を被覆に金属を使った硬式気室にし、外翼を剥き出しの真空境界の軟式気室にした物は「ナカノウィング」と呼ばれた。


[薔薇の想い]

 サスケラは、帰還して以来虎治から離れない。まるで恋する乙女のようだ。まあ、その通りなんだけれど。

 嫁達の間に細波が立つのは自然な事でもあった。それ以外の娘達は、陰でキャーキャーいっていた。戦場に咲いた花(ラブロマンス)いつの時代も少女達の大好物なのだ。

 二人の持つBLぽい雰囲気も、善き風合いに思われていた。


 虎治はと言えば、元々スポーツ少女大好きスケベであり、そのことが航空適正を持つ者を多数輩出する事にも繋がったのだが、当然ヅカ男役的な雰囲気のサスケラは守備範囲で、なかなかに、ご機嫌であった。

 そのサスケラがダンジョンをおとないたいという。休暇の折りに一晩泊めて貰えないかと。勿論虎治は快諾した。女子と仲良くなると言う事は歪な恋愛経験しか持たない虎治にとって、同衾する事なのだ。


[時代は変わる]

 風竜の出現を受けて空軍は森の東領域の哨戒を密にしていた。とは言っても風竜との交戦はワルキューレ達以外では陸上の物しかなく、どう対策を立てれば良いのかさえ手探りなのだ。取り敢えず、口の中に叩き込みさえ出来れば有効であることが分かっている、自立ボルトは左右の翼に三本づつが、鷲型の正式装備となった。


 鷲型と木馬型との性能の違いもある。参考にはなっても、件の空戦は目安にもならない。分かっている事と言えば雲の上よりも高く飛ばなければならない事くらいだ。

「ただいま、五千メートル、これ以上は酸素が薄すぎて無理ですね」

 空戦可能高度はさらに下がる。三千メートルくらいか。風竜の滞空高度はどれくらいなんだ?その疑問はある程度解消された。

「3時上方、風竜!」

「くそ、五千メートル以上か!」

 空戦するにせよ、しないにせよ、降りるしかない。幸い、風竜は着いて来れなかった。

 新たな時代、高高度戦の時代になった。


[託宣]

 兵学校の休暇日を利用して、シャオは久々に神樹のウロに来ていた。

「ウシーティテュラセカジリュークヮマーカラキチャイン」

 古代エルフ語の呼び掛けになぜか反応が鈍い。

(幼子が泣いています。助けてあげてください)

 しかも、呼び掛けとはまるで違う(いら)えが返ってくる。

「母よ、幼子とは誰。何処にいる」

(風の都、風の森、風の岩)風がキーワード?


「風ですか?」

 珍しい事にコアのところに森のダンジョンマスターから念話が来て、風を調べてくれと言う。レコードを使っての検索依頼らしい。

(神樹から依頼を受けたが、曖昧度が大きい。収束させるための情報が欲しい)

「風と言われましても、何をどう調べて良いやら」

(神樹からの依頼の全文を送る)

 韻文としか思えない、たった二行の文書は、しかし、コアを当惑させただけだった。

 

ハーレム物は仔細を詰めれば詰める程バッドエンドしか見えて来ないんですよね。なので切り捨てる。めんどくさそうな展開にならないようにあらゆる物を切り捨てる。

なんでヅカダンが割り込んでくんの?バッドエンドの予感

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ