表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女と試練とステートラン  作者: マグローK
6/6

真実そして感謝

 ナホミは試練を終えユージィを連れて村まで帰還した。

 帰り道でも何も問題なく帰ることができ、ナホミはゾックがいなければ安全なのだと思ったことだろう。

「ただいま帰りました」

「おや、息子が」

「はい、ユージィが試験官とは驚きました」

「いや、そんなこと頼んだ覚えはないんだがな」

 ユージィの真実に驚くかと思いきや、

「村長!これで魔法使っていいんですよね」

「ああ」

「やった」

 試練達成の褒美、『魔法の解禁』への思いでいっぱいでユージィについては聞いていなかった。

 ユージィは勝手な行動をしたことによって親である村長のジィジィからこっぴどく怒られた。


 一ヶ月後。

 やってきたのはハナだった。

 村を散歩中に遭遇したナホミは一瞬体を固めてから近づいていった。

「どうしたんですか?」

「村長さんを探しているんです~」

「村長ですか? 待っててください。呼んできます」

「ありがとうございます~」

 ナホミは走って村長の家まで呼びに行き、ユージィも連れてハナのもとまで戻った。

 試練突破により魔法が解禁されたことでナホミは移動術も使えるのだが、威力や規模の問題で村内での仕様は他の村民同様禁止されているのだ。

「連れてきましたよ」

「ありがとうございます~」

「なんですかな、ハナさん」

「完成しました~」

「本当ですか?」

 そう、ハナは先日行われたナホミの試練の最終目的の達成を村長に告げるためにやってきたのだ。

「結果はどうですか?」

「もう万全です~」

 もともと村長の企みとして村民を増やし税収を増やしたいこと、盗賊を撲滅することがあり、国営やばい研究所の目的に世界平和に関する事柄があることから二つの意志がマッチしてナホミの試練の内容となったのだ。

 それは、

「こんにちは、私はゾックです」

 ハナの背後の箱から出てきたのは元の形の面影が一つもないゾックと名乗る人物だった。

「おお」

「え? これがゾック?」

「そうです~」

「そんな」

「すごいですな」

「そうでしょうそうでしょう~」

 ゾックと名乗る人物は挨拶を終えると村の入口にあった箒を使い掃き掃除を始めた。

「おおぉなんと」

「でしょう~でしょう~」

 その後も話し続ける村長とハナから離れたナホミはユージィに心情を話しだした。

「まさか、あんなことの手助けをしてたなんて」

「……すまない」

「ユージィは悪くないでしょ?」

「俺はナホミを止められなかった」

「そうね。止めようとしてくれたんだ」

「ああ」

「これを見させないために?」

「そうだ。だが、力が足りなかった」

 そう言い、俯いたユージィだったがナホミは軽蔑することはなかった。

「優しいね」

「え?」

 思いもしなかった言葉をかけられたユージィは驚きでナホミを見た。

 そのユージィに何が起きたかはナホミとユージィだけの話。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ