9月
【この作品はフィクションです。】
現実はこれから暑くなっていきますが、こちらは夏を過ぎました。
「秋。それは、四季の中でも、とりわけ活動しやすい気候を誇る季節。」
「まぁ、そうだな。」
「夏の暑さが和らぎ、冬の寒さもまだ遠い。そんな時期は人間にとっての安らぎの季節と言える。」
「うん。」
「だが。あえて。あえて今。私はこう述べよう。」
「ほぉ?」
「残暑が厳しいでごわす!!」
「……………え?」
「ん?」
「何?」
「はい?」
「どうした?」
「何が?」
「急に。」
「8に?」
「765」
「432」
「1」
「0」
「負けた。」
「勝った!」
「そうじゃなくて。」
「ん?」
「急にどうした。」
「だから何が。」
「語尾。」
「砂漠?」
「ゴビじゃなくて語尾。」
「なかなか難しいことをおっしゃる。文字媒体作品だから理解できたが、音だけだったら混迷の縁に立つところだったんだよ。」
「言い回しが。」
「それで?その語尾がどうしたんだよ?」
「ごわす、なんて、今まで言ったことなかっただろ?」
「あぁ、それ?」
「それ。」
「それはあれだよ。」
「うん。」
「雨に、そう聞いたから。」
「………。」
「ん?」
「なんか、今日、どうした?」
「何が?」
「なんか、言葉が…、何て言うの?詩的?っていう雰囲気?」
「あぁ、それ?」
「それ。」
「それはあれだよ。」
「うん。」
「雨が、そう教えてくれたから。」
「………。」
「ん?」
「………あぁ、そういうことか。」
「そういうことさ。」
「どういうことだ?」
「…いやいや。」
「ん?」
「ツッコミ役のキミがそういう天然的な何かしらをかましてしまうと、こちらとしては困ってしまうのだが。困って混迷の縁でワルツを踊ってしまうのだが。」
「お前は10才なのに中二病なのか。」
「私なりの芸術の秋、なんだよ。」
「ごわす、も、含めて?」
「ごわす、も、含めて。」
「芸術?」
「方言は言葉の芸術なんだよ。」
「まぁ、そう言えなくもない、のかな?」
「芸術、って、理解するの難しいじゃん?」
「作品によってはな。」
「方言、って、理解するの難しいじゃん?」
「言葉によってはな。」
「ほら。」
「………。」
「…。」
「この作品が文字媒体で本当によかったと思う。」
「なんで?」
「お前がヤバイくらい腹のたつドヤ顔してるから。」
「読んでる人に見られなくて済む、と。」
「まさに。」
「文字媒体作品にも挿し絵という便利な機能があってだね?」
「やめとけ。」
「ちなみに顔文字で表現するとこんな感じ。」
( ̄∀ ̄= ̄∀ ̄)
「うざっ。」
「進化してるよねぇ。」
「まぁな。」
「自動販売機。」
「急に何。どこから出て来た自動販売機。」
「左。」
「ざっくりが過ぎる。」
「自動販売機はたいてい左から出てくるものだと相場が決まっているんだよ。」
「どこに決定権があるんだよ。」
「全国左協会。」
「はじめまして。」
「以後よろしく。」
「活動内容をお教えいただきたく。」
「万物の中から、左から出てくるべきものを厳選している。」
「その意味は。」
「意味を考えることに大した意味はないんだよ。意味の意味をあまり考えすぎると、悩んで混迷の縁で大喜利をしてしまうんだよ。」
「混迷の縁は多目的ホールか?」
「キミが。」
「俺がやるのかよ。」
「お題は、お金に困っている友人に1000円あげたら感謝された。なぜ?」
「1000円あげたから。」
「それは大喜利ではなくてクイズなんだよ。」
「冷静な否定。」
「そもそもすでに解答が出ているクイズってなんなの?バカにしてるの?甘く見てるの?酢醤油でコスモスを育てるの?」
「最後だけが斬新すぎる。」
「まぁ、なんだかんだで、どれもこれも芸術だよね。」
「どこが。」
「芸術って言っとけば、全部がなんとなくそれっぽくなるんだよ。」
「芸術に謝罪してください。」
残暑は今年も厳しいのだろうか…。




