2月
【この作品はフィクションです】
2月と言えば、甘い香りがあちこちに漂っています…。
「最近世の中が甘ったるい雰囲気に包まれているんだよ。」
「まぁ、2月だからな。」
「2月は甘ったるいのかい?」
「甘ったるいイベントがあるからな。」
「節分?」
「違う。」
「猫の日?」
「違う。」
「うるう年祭り?」
「なんだそれ。」
「うるう年、を、うるうる年、と、言い間違えた人に、年齢の数だけ瓦せんべいを食べさせる祭り。」
「高齢者大ピンチ。」
「この祭りは、全国瓦せんべい協会の提供は受けていません。」
「一番提供してそうなところがまさかの関与なし。」
「入れ歯協会の提供で開催しています。」
「裏金の臭いがぷんぷんと。」
「しかしながら甘ったるい雰囲気とは程遠いということに今更ながら気付いた私はきっと偉いに違いない。」
「偉い偉い。」
「総理大臣くらい?」
「そこまでは偉くない。」
「仕方ないなぁ。じゃあ、掃除大臣で我慢しとく。」
「急に登場主婦の味方。」
「ふっふっふ、味方かどうかはわからないんだよ?」
「大臣が国民の味方じゃなかったら、この国はどこへ向かっていくのやら。」
「三丁目。」
「どこの。」
「あ、」
「どうした。」
「今日は蜂の巣を佃煮にして神棚に捧げる日だった。」
「何そのデンジャラストリッキーなお供え物。」
「そこはトリッキーデンジャラスと言ってほしかった。」
「そんなに変わらないだろ。」
「というわけで協力してほしいんだよ。」
「蜂の巣を取ってこいとか言わないだろうな。」
「そんなこと言わないんだよ。」
「じゃあなんだ?」
「神様つれてきてくれ。」
「協力のレベルがオーバーヒート。」
「だって神様のいない神棚なんてただのオブジェじゃん?」
「ほとんどの神棚に本物の神様はいないと思うぞ。」
「まぁそんなわけでバレンタインデーなわけですが。」
「知ってたのかよ。」
「何故にバレンタインデーにはチョコレートなのかね?」
「さぁな?」
「想いを伝えるならチョコレートよりも婚姻届の方が伝わるんだよ。」
「重い重い重い。」
「想いだけに?」
「上手いこと言ってる場合か。」
「そこまで上手くはない。」
「冷静な判断力。」
「私はチョコレートはそこまで好きじゃない。」
「チョコレートが苦手な小学生女子とかいるのか。」
「そりゃいるんだよ。統計的に見れば好きな女子が多くとも、人には個性ってものがあるんだよ。」
「それはそうだな。」
「私はチョコレートよりもはちみつが好きです。」
「結局甘い。」
「はちみつの直飲みが好きです。」
「甘い甘い甘い。」
「蜂の巣の直食べが好きです。」
「怖い怖い怖い。」
「蜂は好きですか?」
「蜂そのものはあまり好きにはなれない。」
「どの辺りが?」
「音。」
「それは確かに。」
「苦手。」
「深夜の三角形みたいな音するもんね。」
「疑問点が二つほど。」
「許可します。」
「深夜の三角形とおっしゃいましたが、三角形は深夜早朝日中問わず三角形なのでは?」
「いいところに目をつけましたね。」
「ありがとうございます。」
「では、こう考えてみてください。その三角形が、深夜に限り四角形に姿を変えると。」
「何故。」
「昼はオフィス勤務な淑女。夜は同僚の愚痴。的なことです。」
「ただの女性社会人の日常かと。」
「そう思うなら、それが正解なのでしょう。」
「とりあえず次の疑問に移ります。」
「許可します。」
「三角形は音を出すのですか?」
「それは愚問と言わざる見ざる聞かざる。」
「言わざるから入るパターン。」
「三角形は音を出すでしょう。」
「どんな。」
「とぅいいいいいいいいーーー……………ん。って。」
「もしかして、トライアングルですか?」
「そう。トライアスロンです。」
「三角形が三種目に変わってしまいましたが。」
「ほぼ同じでしょう。」
「ほぼ違うと思われます。」
「以上のことから、」
「もう総括するんですね。」
「ソースカツ丼です。」
「略してソーカツですか。」
「ちなみに統括の場合はトーカツだから、豆腐カツ丼になります。」
「お肉の代わりに豆腐を揚げたヘルシーカツ丼ですね。」
「淑女に大人気でしょ。」
「好まれそうですね。」
「昼は豆腐カツ丼。夜はビール片手に同僚の愚痴。的なことです。」
「結局女性社会人の日常かと。」
私はチョコレートもソースカツ丼も好きです♪