第10章 5話
私は剣を顔の位置まで上げる。
そのまま・・・水平に横に構える。
これで力を込めたまま突きを行う!
「くっくっく。残念ながらやられる訳にはいかない!!」
え・・・?
何をするつもり・・・?
「『防御付与』!『攻撃付与』『俊敏付与』!」
え・・?え・・?え?え?え?
攻撃が避けられた!
な・・・何!?
「守備魔法をかけさせてもらった。これで俺の有利だ」
「なっ・・・。そんなの卑怯じゃない!!」
そんな・・・。
「さあ・・・。来るがいい!」
そんな事言っても・・・。
思いっきり有利なのよね・・・。
こういう時、ああいう風に自由自在に魔法が使えるって羨ましい・・・。
どうしよう・・・。
「死ね!!」
一気にヘレクロウスが接近する!!
駄目!!
反応出来ない!!
その時・・・。
私の妖魔キラーが勝手に動いた。
ガキィン!
妖魔キラーが、相手の攻撃を防いだ。
「おのれ・・・」
ヘレクロウスが震えている。
どういう事?
もしかして・・・。
この妖魔キラーの能力?
さらに・・・。
妖魔キラーが光り輝く!!
次は何!?
・・・あっと言う間に光りは収まった。
何が起こったの?
こっちはなんとも無いけど。
「なっ・・・!?魔法が消えてる?せっかく有利になったのに!!」
これもまた妖魔キラーの力なのかしら・・・。
良く分からないけど・・・でも流れはこっちに来ている。
よーし!
「もう終わりよ!ヘレクロウス!」
私は叫ぶと・・・。
剣を構えて走り出した!!




