第1章 8話
「ま・・・まさか!オババ・・・彼女が・・・妖魔ハンター!?」
「そうじゃ」
フェアリーさんが言った妖魔ハンターって・・・何?
「あの・・・その妖魔ハンターって・・・?」
「その昔・・・もうだいぶ昔になるじゃろう。この妖魔界に一人の人間が現れてな。そいつがたった一本の剣でこの妖魔界を壊滅的なまでに倒してしまったという伝説があるのじゃ」
え・・・。
「ちょっと待ってよ。もし・・・もしよ、私がその武器を持ってると仮説して、なんでその私がこの妖魔界を救うの?逆に滅ぼしちゃうんじゃないの?」
「あのルドルフも最初はそう言っておったのう」
そりゃあ・・・普通はそう思うでしょうね・・・。
「じゃが・・・わしはおぬしのその性格に賭けてみる事にしたのじゃ」
「え・・・?私の性格?」
「そうじゃ。おぬしはその妖魔キラーを持ってるとしよう。この妖魔界の住人を全て滅ぼそうと考えるか?」
そ・・・それは・・・。
・・・確かに・・・そんな事をする理由が無い。
さっき見た化け物のように、やむを得ない場合は仕方無いとは思うけど。
好きこのんでそんな事はしたくない。
だいたい・・・全てって事はこのオババや・・・フェアリーさんも含むって事になる。
私は他の住人はともかく、このフェアリーさんは滅ぼすなんて出来ない。
「そこでじゃ・・・。そのおぬしの力を使って・・・倒して欲しい奴がいるのじゃ」
「倒して欲しい奴?」
「そうじゃ・・・。そいつの名前はクロウ」
「クロウ・・・」
「そいつはこの妖魔界に理性を失わせる欲望の塊のようなやつなのじゃ」
そんなのがいるなんて・・・。
「残念じゃが・・・この妖魔界に奴に対抗出来る奴はおらん。あいつの力は妖魔界の住人の心を欲望に傾かせる力がある。このまま放置していたはこの妖魔界は奴の欲望に巻き込まれるじゃろう」
なるほど・・・。
「つまり・・・そいつも妖魔界の住人である事は間違いないのね?」
「そういう事じゃ。それで・・・おぬしの持ってる妖魔キラーならば、クロウをも倒す事が出来るじゃろうと・・・そして・・・おぬしは妖魔界の住人ではない」
そこで私が呼ばれたと・・・。
なるほどね。
だいたいの話しは読めたわ。
それにしても・・・。
私がそんな凄い事をね・・・。
「身勝手な話しかもしれぬ。じゃが・・・おぬしに助けてもらう以外に手だてが無いのじゃ」
うっ・・・。
まいったなぁ・・・。
私、こういうのに弱いのよねぇ・・・。
だからこそ、さっき咄嗟にフェアリーさんを助けちゃったりするんだし。
「分かったわ。私がそんな力を持ってて、それを必要とするなら・・・やってみるわ」
「おお・・・。ありがたい事ですじゃ・・・」