第1章 7話
フェアリーさんの案内で、ようやくドルイドのオババのいる所に来れた。
全く分からない所だから、一旦目印から外れるとどう戻っていいか分からないもんね。
そういう意味では彼女がいて良かったわ。
そこは洞窟のようになっていた。
「すいませーん」
私は声をかけつつ中に入る。
「待っておったぞ」
中から声が聞こえる。
まさにオババという名前の印象の通り。
年老いたような女性の声が聞こえた。
私は奥へと進む。
そこには・・・ローブを身にまとった老婆がいた。
顔はハッキリとは分からない。
もっともこの室内には明かりがほとんど無いから、見えないだけかもしれないけど。
「ヨーコ、おぬしが来る事は分かっていた」
・・・!!
私の名前を知ってる!?
って・・・そう言えばルドルフに私を連れて来るように言ったのが、このオババだもんね。
それでも・・・名前を知ってるって事はこのオババの占いの的中率は絶対だと言うのが分かる。
「何故おぬしが呼ばれたのかを聞きたいのじゃな?」
「そうよ。この妖魔界を救って欲しいって・・・どういう事!?」
このオババがそんな事占わなければ良かったのに。
「すまんの。おぬしの・・・その能力がこの妖魔界には必要なのじゃ」
え・・・?
能力・・・!?
「何言ってるの?私にはそんなのは・・・」
「何を言っている・・・。おぬしがわしらと話せる事自体、おぬしの能力なのじゃぞ?」
「え・・・!?」
そう言えば・・・。
それは不思議に思っていたけど・・・。
「この妖魔界に来た事によって目覚めたのじゃろう。おぬしはどんな生き物でも会話が出来る能力をな」
なるほど・・・。
もしそうならば納得出来る。
だいたいこの妖魔界の言語が私の世界と同じ言語なんて、そんな都合のいい事がある訳ないとは思っていた。
そして・・・妖精に会った事でここが私の世界では無い事も分かった。
だからこそ不思議に思っていたけど・・・。
私の能力だったんだ・・・。
「もう一つある。それがおぬしの最大の武器じゃ」
「最大の武器?」
「そうじゃ。剣を一本、出す事が出来るはずじゃ」
剣を・・・?
「それこそが妖魔キラー。わしら妖魔界に住む生き物にとって天敵とも言える武器なのじゃ」
「え・・・えぇえええええーーーー!!??」




