第8章 7話
ようやく向こう岸へとたどり着いた。
さすがにロボがいてくれたおかげで、かなり助かったわ。
そして・・・。
次の目標でもある”巨人の鼻”が見える。
高い山。
まるで鼻のように、一つぽっこりとある。
さて・・・。
行かなくちゃ。
「待て」
それを制したのはロボだった。
「・・・何?」
何かあったのかしら・・・。
「なんで・・・右腕が使える事に何も言わないんや・・・?」
確かに疑問には思うけど。
「別に。私たちは仲間でしょ?」
そう。
何か理由があっての事なんでしょう。
それを無理に聞く事はしない。
「待て。どうしても・・・これだけは言わんとあかんのや」
ロボ・・・。
「実は・・・。あんたが妖魔キラーの持ち主やって事は、最初に会った頃から知っとった」
え!?
あの頃から・・・!!
なら・・・なんで・・・!?
「わいと戦った奴はな・・・。それはそれは極悪な奴で・・・。妖魔キラーで妖魔界の奴らを消すのを何とも思って無い奴やった。わいは正確には妖魔界の住人やない。また違う異世界から呼ばれたんや。そいつと戦うために」
まさか・・・。
ロボも・・・異世界から来たなんて。
「せやから、わいには妖魔キラーは通じなかった。それでもそいつは十分強かった。だから”核融合”を使ってしまったんや。わいの・・・最後の奥の手を」
なるほど・・・。
「でも・・・次に出会った奴は・・・なんと側に妖魔界の住人がおった。しかも、信頼しきって・・・。それどころかこの妖魔界を救うって言うとるやないか。でも、わいはすぐには信じる事が出来へんかった」
それは・・・そうかもしれない。
その・・・前の人の悪行が酷いのなら。
「せやから・・・わいはあんたを試したんや。あんたは何処まで真剣にこの世界を救おうとしてるのか。何処まで仲間の為に頑張るのか・・・。今から言うけど・・・”巨人の口”で落ちたのはわざとや。浮かぶ事も簡単に出来た」
ロボ・・・。
「でも・・・あんたは本気なんやな・・・。本気で仲間を救おうとした」
「当たり前じゃない。私は・・・みんながいなかったらここまで来れなかったもの」
「あんたなら・・・あんたなら、妖魔キラーを持ってもええと思う。妖魔キラーを持つ者を倒す宿命を持ったわいが言うのも変やけどな」
ううん・・・。
「全然変じゃないわよ、ロボ」