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妖魔界  作者: 山本吉矢
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第8章 5話

やっと湖の半分ぐらいまで進んだかな・・・。

向こう側がなんとか見える。

ロボがゆっくりとイカダを進める。

本当は思いっきり進めてもいいらしいけど・・・。

でも私はともかくフェアやユニコの事を考えると・・・。

あまり無茶は出来ない。

「なぁ・・・。聞いてええか?」

ロボが口を開く。

「なぁに?」

「さっき・・・。なんでわいを助けたんや?見捨てても仕方ない状況やったのに・・・」

その答えなら、もう分かり切っている。

「仲間を見捨てるぐらいなら、死んだ方がマシだわ」

キッパリと言った。

「なんでや!?死んだらそれで終わりやで!!」

「ロボ・・・。ロボには分からないと思いますけど・・・、これがヨーコ様なんです。だから・・・私たちも一緒に旅も出来るんです」

フェアが私の代わりに答える。

「確かに・・・俺が敵の罠にかかった時も、命がけで助けてくれたし。だからこそ俺達もヨーコ様の力になりたい」

ユニコ・・・。

「ありがとう・・・二人とも」

私は改めて感謝をした。

正直、この二人がいなかったら私はここまで来れなかったから。

こうしてみると・・・。

お姉ちゃんが旅行に行くって時に、一緒に行かなくて正解だったかも・・・。

本当は一緒に行くのが嫌だった。

それはこの性分のせい。

どうにも、子供の頃から困ってる人をほっとけない・・・。

そのせいで色々と困難な目に合ってるんだけど。

だから行きたく無かった。

もしお姉ちゃんと一緒に行けば、とんでもない事になると思っていたから。

この妖魔界に来てその事を十分思い知ってるけど・・・。

でも今は来た事を後悔はしてないわ。

フェアやユニコという大切な仲間にも会えたし。

そして、ロボという仲間にも会えた。

それが唯一の救いかもしれない。

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