第6章 9話
・・・。
「・・・・ま」
・・・?
「・・・様!」
あれ・・・?
なんか・・・声が聞こえる・・・。
とてもよく聞いてる声。
天使や鬼の声なんかじゃない。
なんだろ・・・。
「ヨーコ様!!」
はっ!!
その叫び声で起きあがる。
「良かった・・・。生きていましたぁ・・・」
わんわん泣きながらフェアが抱きついて来る。
・・・あれ?
私のすぐ側にはユニコもいる。
ユニコがいる・・・。
「ユニコ!あなた・・・」
「大丈夫でしたか?遅くなってすいません・・・」
「いいのよ・・・。ユニコが無事なら」
そう・・・。
私はてっきり水に溺れてしまったと思っていたから。
どうやって助かったのとか、そんな事はどうでもいい。
だって・・・、無事に生きているんですもの。
「それでも・・・あと少しでも遅かったら・・・ヨーコ様は・・・」
私は首を横に振る。
「私はいいの。例え私が死ぬ事があったとしても・・・二人が無事ならそれで」
私は生きているという実感よりも、ユニコが無事で良かったという思いの方が上だった。
ゆっくりと立ち上がる。
あれ?
そこで始めて気づいた。
そこに宝箱が置いてある事に。
台座においてあり、何やら特別な雰囲気がする。
何だろ・・・あれ・・・。
私はそれにゆっくりと近づく。
二人は見守る。
宝箱を開ける。
そこには・・・。
小さな指輪があった。
まるで飾り気のない、ただの指輪。
指輪の大きさに合わせたような小さい宝石が一つのみ。
その宝石も・・・ダイヤモンドと比べるまでもなく、それほど綺麗な輝きでは無い。
なんだろう・・・?
とりあえず・・・。
これを持って帰ろう。