第6章 8話
かなりやばい!!
結構高い所まで浮き上がっていたみたい。
下がかなり遠い。
「ヨーコ様!!」
フェアが私を掴む。
だけど・・・。
フェアの力じゃあ私を浮かすなんて出来る訳が無い。
それどころか・・・下へ落下するスピードを緩める事すら出来ない。
くっ・・・!!
ぶつかる!!
私はなんとか背中から落ちるようにする。
「くぁぅ!!」
うぅ・・・。
かなりの衝撃・・・。
血が流れる・・・。
「ヨーコ様・・・」
フェアがやって来る。
うぅ・・・。
ユニコは・・・?
ユニコの姿が見えない・・・。
治してもらわないと・・・これは結構危ない・・・。
骨も折れてるし・・・、体を動かす事すら出来ない。
「ヨーコ様・・・ヨーコ様!!」
フェアが体を揺らす。
「すいません!!私が・・・私のせいで!!」
「いいのよ・・・。フェアがいなければ私はここまで来れなかったんだもの」
私はフェアを責める事はしなかった。
運が悪かったのよ。
そう。
それだけ。
だから別にフェアが悪い訳では無い。
ただ・・・唯一の心残りと言えば・・・。
ユニコ。
ユニコの姿が見えない。
まだあの水の中なんだろうか・・・。
フェアだけじゃなくて、ユニコも無事の姿を見たかった・・・。
ゆっくりと目が閉まる。
力が抜けていく・・・。
「ヨーコ様!!駄目!!目を閉じたら・・・!!」
死ぬ時って・・・意外とこういう時なんだろう。
割とあっけなく。
大冒険の果てに・・・という訳では無く、あっさりと死んじゃうものなのね。
「ヨーコ様!!」




