第6章 6話
私は地下へと降りて行った。
ここはまるで生活の気配が無い。
当然かもしれない。
ここは地上の街とは全然雰囲気が違う。
松明で一応明るさはあるけど。
なんというのか・・・。
雰囲気的に暗い感じ。
さて・・・。
注意しないといけないのが、ドラゴンの言っていた”危険な所”という意味。
何か敵が現れる・・・って事はまず無いと思いたいけど・・・。
他に危険の要素があるとしたなら。
それは罠。
こういうダンジョンには罠があってもおかしくない。
でも私は罠を解除出来る技術なんて無い。
つまり・・・。
危険な罠を承知で進むしか無い。
「いい?私が先に進むから・・・。ユニコは後から来て」
そう・・・。
必然的にこういう方法しか無い。
私が罠にかかっても、ユニコの癒しの力で治せる。
それに賭けるしか無い。
そうでなければ、このダンジョンの奥へだなんて行けるとは思ってない。
身を犠牲にしてでもフェアとユニコは守る。
その基本的思想は変わってない。
だからこそ!!
私は先頭に立ち、恐れる事なく前へと進む。
はたして危険とは何があるのか・・・。
しばらく進むとその存在が分かった気がした。
細い通路に・・・いくつものロープが見える。
足下を邪魔するように張ってあり、その両端は左右の壁の向こう側へと消えている。
もちろん・・・これに触れたり切ったりしたなら、何か罠が作動する。
それぐらいは私でも分かる。
問題は・・・。
どんな罠があるか。
こればかりは引いてみるしかない・・・!!
私は前へと進む・・・。
「待って!ヨーコ様!!」
フェアが叫ぶ。
「どうしたの・・・?」
「あそこに・・・レバーが見えます」
あっ・・・、本当。
通路の向こう側・・・ロープの罠の先に見える。
あれも罠なのかしら・・・。
「私・・・行って来ます!」
「フェア!!」
止めるより先に行ってしまった。
「気をつけて!それも罠かもしれないわよ!!」