第6章 3話
次の日の朝。
これだけは聞いておきたかった事がある。
それは・・・。
「どうして・・・。ここは平和なの?」
そう。
クロウの力で混乱しててもおかしくないのに・・・。
「ああ・・・。それはね。ここにはルドルフ様の右腕的存在のドラゴン様がいらっしゃるからだよ」
・・・え!?
ドラゴン!!
ジンの口から出たのは意外な名前だった。
その名前は私も知ってる。
巨大なトカゲのような姿をしているが、翼を持っている。
その圧倒的な力と、口から炎を吐いたりする能力のせいで魔物の中でもトップクラスの強さを誇る。
また空を飛べるので上空を取れるという強みもある。
そのせいか、ドラゴンを退治出来るほどの人はそうはいない。
良く物語なんかで、その名前は知ってたけど。
そのドラゴンがここにいる・・・。
しかも、ルドルフの右腕的存在って事は・・・少なくとも味方って事ね。
「ねぇ・・・。そのドラゴンって・・・すぐに会えたりするの?」
ちょっと興味を覚えた。
一度は見てみたいじゃない?
「そうねぇ・・・。あたし達はそんなに簡単に会える存在じゃないけど・・・、あんたなら大丈夫なんじゃない?」
「それは・・・ルドルフのお客様だから・・・?」
「そうだよ!あのルドルフ様が呼んだお人だ」
そうなのかなぁ・・・。
でも・・・駄目で元々。
行ってみようかな・・・?
「それじゃあ、その場所を教えてください!」
ドラゴンに会えるなんて、そう滅多にないし。
しかも攻撃される恐れはまず無い。
安全に会えるなんて、それこそ一生に一度あるか無いかよ。
私はフェアとユニコを起こしに行った。




