第4章 10話
そろそろ目標となるくぼみにも近い。
そのくぼみに行けば次の目標が見える。
そこへ行けば次の目的地である”巨人のてのひら”が見える。
だいぶ最終目的地に近づいて来てるわね。
「ヨーコ様。ふとした疑問なんですが。何故そこまで私達を守ろうとするのですか?」
え?
「そんなの当たり前じゃない」
そう。
私の中では、別に特別な事では無い。
仲間を、そして友達を守る事は当たり前。
「だって、私がこうして無事に来れてるのはあなた達のおかげじゃない」
二人がいなければ、とっくの昔に死んでるでしょうね。
そういう意味では、私が二人を守るのは当たり前。
例え、この身を犠牲にしてでも。
「あっ」
ふと思い出した。
その原因が。
そう言えば、その昔あった出来事。
私がまだ幼かった頃。
たぶん、まだ幼稚園ぐらいの時。
とても仲の良かったグループがあった。
その時に、グループの一番年上のお姉さんがいた。
みんな当然慕っていた。
とても素晴らしい人だった。
そう。
だったのだ。
彼女はある事故に巻き込まれて死んでしまった。
それがとても悲しかった。
その時に、親しい人がいなくなるという事の意味を知った。
友達や仲間がいなくなる。
それは子供心にも、非常に悲しい出来事だった。
「たぶん。その時に仲間の重要さを知ったんだと思う」
だからこそ、私は仲間を大切にしないといけない。
もうあんな悲しい出来事は嫌だから。
でも。
それがあまりにも強すぎて。
逆に友達を作るのが怖くなってしまった。
失う事の恐さ、悲しさをもう一度味わいたくないため。
だけど。
今回でまた仲間が出来た。
この妖魔界を救うために。




