第1章 3話
「まずは何処から話そうか・・・」
「そうね・・・。まずはここは何処なの?」
率直な意見だった。
何せ見たことも無いような場所。
何処か分からないと話しも進まない。
「そうだな・・・。信じられない話しかもしれないが・・・ここは妖魔界だ」
「・・・へ?ようまかい???」
何それ?
「この世界はいろんな世界がある。神々が住む世界の神界、死者達が訪れる冥界、そして君達が住む人間界と俺達が住む妖魔界だ」
何それ・・・?
「ふざけてんの?」
「君だってもう分かってるはずだ。ここが君達の住む世界とは違う事を」
・・・それは・・・何となくだけど分かっていた。
何せ太陽も月も無いのに周りが分かるような明るさがある事。
この事で何か妙な感じはあったけど・・・。
それでも何やら信じられないような・・・。
「だいたい俺だって人間じゃない」
そういうと立ち上がる。
「ふん!」
そう叫ぶと・・・。
背中から黒い翼が飛び出る。
「えぇええ!!」
そして・・・そのまま宙に浮く。
「どうだ?俺が人間に見えるか?」
確かに・・・翼以外は普通の男に見えるけど・・・。
これは確かに普通の人間とは言えない。
地面に着地して翼を収める。
「俺の名前はルドルフ。君にこの妖魔界を救ってもらいたいんだ」
「ちょっと待って。あんたが人間じゃない事もここが私の住む世界となんとなく違うって事も、まぁ認めるわ。だからってなんで私がそういう事を?」
突然そんな大事を言われたって。
「確かに突然な事だ。だが・・・君にしか出来ない」
「だーかーらー!!何故私が!?」
「それを言われると弱いんだが・・・。ドルイドのオババがそう占ったからとしか・・・」
え・・・?
「ドルイドのオババ・・・?」
「ああ。これまでいろんな占いをしてきて、その的中率は完全。外した事が無いほどだ」
「つまり・・・その占い師が私が救ってくれるって・・・だから呼んだと?」
「そういう事だ」
なんて事・・・。
「いくらなんでも、たかが占いで呼ばないでよ!!」
こっちの事も考えてよ。
「悪い・・・。この世界を救うまでは帰す訳にはいかない」
「それって脅し?」
「この妖魔界を救う為だ。そう取ってもらっても仕方ない」
くっ・・・。
待って。
「そのドルイドのオババって何処にいるの?」
「この近くに住んでいるが・・・何故それを?」
「私も聞いてみるの。自分で確認しないと気が済まないし」




