第4章 7話
その日の宴はまさに豪勢なものだった。
救世主を祝うという事で、普段よりも凄いとか言ってたけど。
ワー・ウルフ達はヒューマンの姿になって広場の中央で踊り、そこでは炎が燃えさかっていた。
どうもヒューマンの姿になると火が怖くなくなるらしい。
なんとも不思議な話だけど、ここでそんな事言ってたらきりがないわ。
もう、そういうもんだと受け入れるしか無い。
そして・・・豪勢な食べ物が用意された。
それらは私達の世界と変わりないような物。
ハッキリ言えば人間の食べ物と同じ。
お肉に野菜に果物に・・・。
一体どうやって採った物なのかしら・・・。
・・・。
あんまり考えない方がいいかもしれない。
何せここは私の世界とは違う。
つまり、私達の世界とは違う採り方をしてる可能性はある。
その現場は見ない方が身のためだわ。
「さあ!どんどん食べていいんだよ!!」
リーダーの彼女は豪快に食べながら言う。
ここではあまり上品に食べる必要も無いしね・・・。
何せそういう目で見る人は一人もいない。
彼女と同じようにお肉も丸かじりで食べる。
・・・うん!美味しい!!
豚肉と同じような味。
これは豚肉を焼いた物だと思っていればいいわね。
フェアもユニコもそれぞれ好物を食べてるみたい。
「あっはっは。救世主と一緒に食事出来るなんて、夢のようだね!」
ふふ。
彼女は豪快な感じをするけど、嫌な感じはまったくしない。
裏表が無くて、とてもいい人なのね。
「さあ!これも飲んで!」
そう言って渡されたのは・・・お酒の匂いがする。
色は赤色でまるでワインみたいだけど・・・。
どうしよう・・・。
私・・・お酒なんて飲んだ事無いんだけど・・・。
「何してんだい!主役のあんたが飲まなくてどうするんだ!!」
つまり・・・。
飲まなきゃいけないって事ね・・・。
まいったわね・・・。
仕方ないわね。
ここは一気に!!
「おお!いい飲みっぷりだね!!」
うにゃ・・・。
なんか・・・風景がゆがんで・・・




