第4章 4話
ガサガサ・・・。
草をかき分ける音がどんどん近づいて来る!
「ユニコ!しゃがんでて!!」
また来た!!
ジャンプして・・・正確に私の所に来ている!
「はっ!!」
私はタイミング良く蹴りを放つ。
最初は驚いたけど・・・そういう生き物だと分かればそうは難しくない。
何せ相手は魚。
今までの相手と比べたら簡単だわ。
「ヨーコ様・・・大変です!!」
フェアが叫んでいる。
「何・・・?」
「フォレスト・フィッシングが・・・大量にこっちに来ます!!」
なっ・・・!!
大量に・・・?
「今のは単なる偵察だったみたいで・・・群れでこっちに来ます!!」
まずい!
1体1体ぐらいならまだしも・・・。
群れで一斉にこられたら・・・まずい!!
どうしたらいい・・・?
こうなったら・・・。
私はユニコの背中に乗る。
「走って!!」
こうなったら・・・一カ所を強行突破しか無い!
「ユニコ・・・なるべく首は下げていて」
「・・・?それでヨーコ様は・・・?」
「耐える!」
それしか無い。
「ヨーコ様!!耐えるって・・・!!」
上空でフェアが叫ぶ。
「私はいいのよ。最悪でもユニコに治す事は出来る。でも・・・ユニコ自身はそうはいかないでしょ?」
そう・・・。
ユニコの分も私がくらう覚悟。
「そんなの駄目です!!」
「言い合いしてる暇無いわ・・・。来るわよ!!」
そう・・・。
もうすぐ側にまで来ていた。
これを選択する以外に方法が無い。
ガサ!!
魚が一斉にジャンプして私に襲いかかる!!
私は歯を食いしばる。
「くぅ・・・!!」
想像以上に痛い!!
「この・・・離れなさい!!」
私は慌てて魚をはがす。
あちこちから血が出る。
さすがに・・・鋭い歯だわ。




