第4章 3話
出来るだけ慎重に前に進む。
この中で一番危険なのは私じゃなくてユニコ。
そう・・・一番身動きが出来ないのがユニコだから。
私はいざとなれば木の上に登る事も出来るけど、ユニコはそうはいかない。
後ろには下がれるけど、そんなにスピードを上げて下がる事も出来ない。
左右に避けようにも、この木々の数のせいでぶつかってしまう。
だから・・・ユニコを守るためにもなるべく慎重に進まないと・・・。
「ヨーコ様・・・そんなに慎重にならなくても・・・」
その当の本人であるユニコが言う。
「何言ってるのよ。ここではいつ襲われても文句言えないのよ?」
そう・・・。
私は別にいい。
だけど仲間であるフェアやユニコは何とか守らないと・・・。
ガサガサ・・・。
・・・!!
草が動く音が聞こえる。
「待って!」
私は制止させる。
ガサガサ・・・。
物音はこっちに近づいて来てるみたい。
何か来るわね・・・。
一体何が・・・?
ガサガサ・・・。
来る・・・!!
「なっ!!」
私はその姿を見て驚いた。
そう・・・。
この森の中ではあり得ない生き物を見たから。
それは・・・魚だった!!
私は即座に突進だけは避けた。
ほとんど本能だった。
あまりにも・・・場違いなものを見てしまったから。
「今のは・・・一体・・・?」
私はフェアに聞く。
私の世界では絶対にありえない生き物を見てしまったから。
だって!!ここは森よ?
なんで魚がここに!?
「今のはフォレスト・フィッシングです。森に住む魚で今のように突進してその歯で獲物を食いちぎる生き物です」
・・・やっぱり森に住んでるんだ。
いったいどういう原理なのか気になるけど・・・。
この妖魔界でいちいち悩んでも仕方ないかもしれないけど・・・。
とにかく!!
ガサガサ・・・。
また今のがやって来るみたい。




