第4章 2話
山からくぼみに向かうまでに森を抜けなければならない。
私はその森へと足を踏み入れた。
これが・・・想像していたのとは違った様子を見せていた。
獣道ぐらいはあるかなぁ・・・とは思っていたけど。
まるで歩ける道が無い。
これは・・・。
私はまだしも、ユニコが大変そう・・・。
「大丈夫?ユニコ?」
「・・・なんとか歩いてみせますが」
それしか無い訳だけど・・・。
「それにしても・・・本当に良かったんですか?ヨーコ様」
まだフェアはその事を言ってる。
「いいのよ。いちいち戻ってたらきりがないじゃない」
そう。
例え今戻って武器を手に入れたとしても、長くても次の四天王までしかもたない。
その毎に戻っていたらクロウに対抗策を打たれてしまう。
それでは意味が無い。
それに・・・。
だいたい私には妖魔キラーという強力な武器が使えるはず。
その力を使えるようにした方がよほどいい。
だからあれには頼らない。
もうあの事は忘れて・・・。
さっさと森を抜けなきゃ。
それにしても・・・。
この森もとんでもないわね・・・。
あまり奥が見えない。
これまでように襲いかかってきても、逃げるのも困難だわ。
相手が見えないから側に来るまで分からないし・・・。
「ねぇ、フェア。この森にはどんな人達がいるの?」
「そうですね・・・。でもここには生き物よりも植物を注意した方がいいですね」
「・・・植物?」
どういう事?
「はい。おそらくクロウによって欲望にやられていると思いますので・・・」
・・・?
「つまり・・・植物も襲ってくるわけ?」
「はい。この妖魔界では植物にも意志があるんです」
へぇー・・・。
って感心してる場合じゃなかった。
つまり・・・。
この植物だらけの森では周囲が敵だらけという事になる。
でも行かないといけないし・・・。
「分かった・・・覚悟して進みましょう」




