第4章 森
私はもう一度山へと戻って来た。
ラカスタを倒す為に。
始めて来た時は四天王という事で躊躇してたけど、今は強力な武器を持っている。
私は許さない・・・。
こいつが・・・ハタカーンの若者を人質に取らなければ・・・。
少なくとも・・・あの人は幸せに死ねたかもしれないのに。
私を助ける為に・・・何よりもみんなを救うために死んでいった・・・。
「何!?来たというのか!?あいつらめ・・・人質がどうなってもいいというのか!?」
「・・・残念だけどね。その人質は私が解放したわよ」
そのために・・・!!
「そのせいで・・・そのせいで!!死んだ若者がいるのよ!!」
「ふん。おまえを助けたんだ。どのみち全滅だ」
こいつ!!
こういう奴こそ・・・絶対に許してはいけない!!
ここに来てからいくつか戦いをしてきたけど・・・。
憎しみを抱いたまま戦うのは始めてだわ。
こいつは・・・私が倒す!!
「その前に・・・あんたが敗れるのよ!!」
私は剣を抜く。
「なっ・・・!!それは・・・!!」
「あんたも知ってるみたいね。何故か私には影響しないみたいだけどね」
剣を構える。
こいつは・・・絶対倒す!!
「はっ!!」
ラカスタは一瞬下がる。
そう・・・。
触ったら最後という事はラカスタも分かってる。
立場は完全に逆転している。
もっとも・・・私は剣を使った事なんて無い。
剣に振り回されてる感じもする。
「ヨーコ様・・・」
「フェアは下がってて、触ったらあなたも骨になっちゃうんだから!」
そう。
この武器の唯一の弱点は味方であるフェアやユニコにも影響してしまう事。
だから、二人には離れていて欲しい。
「・・・たぁ!!」
一気に走る!!
「くっ・・・」
ラカスタはなんとか離れようとする。
だけど・・・!!
こいつは絶対倒す!!
「はぁああああ!!」
触れた!!
「ぐわぁあああああ!!」
・・・ついに。
ついにラカスタを倒した。
「ふぅ・・・」
「ヨーコ様!!剣が!!」
フェアが叫ぶ。
見ると・・・剣はボロボロになって崩れて行く。
「さすがに四天王のエネルギーには耐えきれなかったみたいね」
今回は使ってみたけど、正直こんな危険な武器はあまり持ちたくなかった。
だから・・・これで良かったのかも。
「ヨーコ様・・・。取りに戻った方がいいのでは?」
「いちいち戻ってる暇ないわよ。それよりも・・・次の目的地はあそこね。
山の頂上から見えたのは以前フェアが言っていたくぼみが見えた。
「行くわよ」