第3章 10話
「さあさあ、遠慮せずに持ってみるといい」
魔女もなんとか触らせようとしている。
だけど・・・私は逆になんとか魔女に触らせようと考えている。
そう・・・。
この魔女が触ったらどうなるか・・・。
たぶん、この武器は無差別にエネルギーを吸い取ってしまうと思う。
だからこそ、さっきから魔女も触らないようにしている。
この武器を作り魔力を与えているんだと思う。
「う〜ん・・・。でも何がいいのか分からないし・・・」
わざと優柔不断のふりをする。
「何でもいいじゃろう。持ってみれば分かるかもしれぬし・・・」
「そう言うのなら、何かお勧めはあるんですか?」
魔女に振ってみる。
うん、不自然じゃないわ。
「お勧めか・・・、この剣なんかどうじゃ?」
指を指す。
あくまで触らないつもり。
「そうなんですか?それじゃあ取ってもらえません?」
私はあくまでも動かない。
「そう言わずに!!」
なっ・・・!!
魔女が私の手を取って、強引に武器に近づける。
くっ・・・いつまでも触ろうとしないから、強引な手に出たわね。
まずい・・・このまま触ったら・・・。
でも・・・魔女の力は意外と強い。
まるで振りほどけない。
「ちょ・・・ちょっと・・・!!」
「自分で持ってみるのが一番じゃ!!」
この・・・!!
なんとか振りほどこうとするけど・・・。
まずい!!
「きゃ!!」
ついに・・・触ってしまった!!
「ふぉっふぉっふぉっ!!」
魔女は勝ち誇る。
・・・?
「あれ?」
いつまでもたっても何とも無い。
魔女が勝ち誇ってる所から、どの武器に触ってもエネルギーを吸い取られるはずなんだけど・・・。
どういう事?
「なっ・・・馬鹿な!?」
うろたえる。
今だわ!
「えい!!」
私は触ってしまった武器を手に取り、魔女に向かって投げる。
「ぎゃ・・・!!」
魔女が叫んだと思ったら・・・どんどん骨になっていく・・・。
これは一体・・・。
あっ!
もしかして・・・これ・・・。
妖魔界の住人にしか影響しないって事?
私は違う世界から来てるから、何ともないとか・・・。
とにかく・・・。
もう一度触ってみる。
うん、何ともない。
よーし。
私は剣を選んで腰に差す。
これは妖魔キラーとは違うと思うけど・・・。
これで強力な武器が手に入ったわ。




