第3章 9話
「あれね」
ハタカーンから教えてもらった所に小屋があった。
あそこにある武器には触らないで・・・か。
なんでも触ると骨ってしまうと聞いたけど。
私はあえてその罠にかかりに来た。
そう。
逆にその武器を利用出来ないか考えていたけど・・・。
とりあえず・・・誰かいるのかしら?
「フェア、ユニコ、ここで待ってちょうだい」
万が一という事もある。
二人を置いて私は中に入る。
そこにはたくさんの武器が揃っている。
剣に槍に斧に・・・いくつもの種類の武器が所狭しと並んでいる。
凄い・・・。
「ふぉっふぉっふぉっ・・・。ここへ何の用じゃ?」
あら。
誰かいたみたい。
そこにいたのは昔話に出てきそうな、魔女のような姿をしている老婆だった。
まるで人間みたいだけど・・・鼻が異様に高いし耳もとんがっている。
爪もかなり伸びているし・・・ちょっと同じ人間には見えない。
「いえ・・・。ここに武器があるって話を聞いてちょっと見に来たの」
うん、嘘は言ってないわ。
真実も言ってないけど。
「ふぉっふぉっ・・・。いろいろあるからゆっくり見るといい」
ふぅん・・・。
罠にかかったと思ってるのかしら?
とりあえず・・・。
改めてじっくりと見る。
今の所普通の武器のように見える。
ハタカーンの忠告が無ければ無造作に触る所だわ。
「どうじゃ?手に取ってみては?」
上手い誘導ね。
「でも・・・私何も持ってないんです。だから本当に見に来ただけで・・・」
「そんなのはいいのじゃ。勝手に持っていくといい」
触ると骨になるから持ち出せないから言える台詞ね。
「勝手に・・・?なんで・・・?」
私はゆさぶってみる。
いくらなんでも勝手に持って行くなんて・・・ありえないし。
「なぁに。こんなへんぴな所に来るのは珍しいからの。このまま埋もれるぐらいなら、誰かに使って貰う方がいいじゃろう」
上手い言い訳ね・・・。
でも・・・これに触る訳にはいかない。
たぶん・・・この老婆は武器から吸い取ったエネルギーを糧に生きてるんだわ。




