第3章 8話
「まさか・・・ハタカーンの体に水が流れていたなんて・・・」
フェアの声が聞こえる。
そう・・・。
その意外な真実のおかげで2体のラカスタ・ソルジャーは崩れる事になったけど・・・。
「ごめんなさい・・・」
私は・・・なんて無力なんだろう。
私が・・・妖魔キラーを使えるのなら!!
こんな悲惨な事にはならずに済んだのに・・・。
全て・・・私のせいだわ。
私が来たから・・・彼らは捕らわれる事になった。
そして・・・その見張りにラカスタ・ソルジャーを置く事になった。
私が来なければ・・・少なくとも彼は家族の中で死ぬという充実した生き方が出来たはずだったのに・・・。
ハタカーンの人達が集まって来る。
「ごめんなさい・・・。私のせいで・・・彼を死なしてしまった・・・」
「そう自分を責めないでください・・・。ヨーコ様」
ユニコが来る。
「でも・・・!!」
「そうだ。彼は病でもうすぐ死ぬ運命だった・・・。彼はみんなの為に・・・そしてあなたの為に死んだのだ。とても勇敢な事だ」
そうじゃない・・・。
そうじゃないの・・・。
「私が!私が・・・妖魔キラーを使えれば・・・」
それなのに・・・。
まだ使う事が出来ない。
どうすればいいのか、まったく分からない。
そのせいで・・・。
「いいんです・・・。あなたのその涙で・・・あなたの気持ちは十分分かります」
くっ・・・。
「それに・・・一番の原因はクロウだ。あなたではない」
・・・。
「そうですよ!ヨーコ様。ヨーコ様のせいではありません。元々クロウが妖魔界を混沌にさせようとしなければ、ヨーコ様が妖魔界に来る事も無かった。彼ももっと違う死に方もあった。悪いのはクロウです!!」
みんな・・・。
「・・・それでも・・・何か武器はいるわ・・・。このまま何もないまま戦うには・・・非力過ぎる」
「武器ですか・・・。何も無いんですが・・・。ここから山に向かう途中に小屋が見えますが、そこにある武器には絶対触らないでください」
「触らないで・・・?」
一体どういう事・・・?
「触ったら最後、骨になってしまうという、とんでもないのがあるのです」
それはそれは・・・。
「分かったわ。教えてくれてありがとう」




