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妖魔界  作者: 山本吉矢
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第3章 7話

来る・・・!!

「とにかく・・・下がって!!」

若者を抱えて飛び下がる。

なんとか・・・攻撃を避けたけど・・・。

「馬鹿な真似は止めて・・・。いくら病で死ぬ運命だとしても・・・最後まで家族の元で楽しく生きた方がいいわ」

そう・・・こんな所で死ぬなんて良くない。

「俺は決めたんです!あなたのような・・・俺と同じくらいの年齢の女性が命賭けてるのに・・・俺だって何かしたいんです!!」

私を振り解いた。

そして・・・ラカスタ・ソルジャーの方へ向かって行く。

「駄目ー!!」

・・・

それはまるでスローモーションのように見えた。

ラカスタ・ソルジャーの剣がハタカーンの若者の所に振り下ろされた・・・!!

だけど・・・若者はそれに怯える事なくそのまま突進していた。

そして・・・その体は真っ二つになっていた。

くっ・・・。

「ぐぁあああああ!!」

・・・!?

ラカスタ・ソルジャーの1体が苦しみながら崩れ落ちる。

これは・・・?

ハタカーンの若者の体から水が吹き出ていた。

まさか・・・。

彼らの体に流れているのは・・・血じゃなくて水!?

・・・くっ!!

私は走る!!

そして・・・若者の体を受け止める。

その体からは水がどんどん流れている。

私はその水を手に取る。

ごめんなさい・・・。

救ってあげれなくて・・・。

「はっ!!」

私はその水をもう1体のラカスタ・ソルジャーにぶちまける!!

すると・・・。

そのもう1体のラカスタ・ソルジャーも粉となって崩れ落ちた。

・・・。

「ごめんなさい・・・。ごめんなさい・・・」


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