第3章 6話
ガキィン!
ラカスタ・ソルジャーの剣が私のすぐ側をかすめる。
ハッキリ言って命がけもいい所。
だけど、それは今に始まった事じゃない。
だから・・・彼らを救う為にこういう事になってもいいと思ってる。
これが1体だけならまだしも、2体ともというのだからかなり大変。
ちらりと向こうを見る。
フェアがハタカーンの若者を逃がしている。
よしよし・・・。
このままいけば彼らを救う事も出来るわ。
「ヨーコ様!全員逃がしました!」
フェアの声が聞こえる。
よし!
これでなんとか助かったわね。
これであとは・・・。
あっ・・・!!
しまった!
足を滑らせて転んでしまった。
まずい!!
「ヨーコ様!!」
フェアが来る。
「来ないで!!」
ここで私が死んでも・・・フェアだけは巻き添えにする訳にはいかない。
私はフェアを来ないように叫んだ。
いいのよ・・・これで・・・。
ユニコも助かるし・・・。
「危ない!!」
え・・・!?
誰かが助けてくれた。
私はその人物を見る。
それはハタカーンの若者の一人だった。
「何やってるの!?助けてくれたのはお礼を言うけど・・・危険だから下がって!!」
そう・・・。
まさに今のは危機一髪だった。
いくらなんでも助けようとした人に助けられるなんて・・・。
「いいから聞いて。俺は病で・・・もう死ぬ運命なんだ・・・。だから・・・」
「病ですって?それなら私の仲間にユニコーンがいるから、彼の力を使えば」
私がそう言うと、彼は首を横に振る。
「ユニコーンは・・・純粋な少女にしかその力は使えないんだ・・・」
そんな・・・。
「だから・・・どうせ死ぬならあなたの為に死にたい」
そんな・・・。
なんとか出来ないの・・・。
「あなたは俺達を助ける為に命がけで救ってくれました。みんなを助けてくれたお礼です」
違う!
違う違う!!
「それでも!!死ぬなんて!!」
ズゥン!!
はっ・・・!!
ラカスタ・ソルジャーがこっちにやってくる。
口論してる場合じゃなかったわ。
でも・・・私はどうすれば・・・。