第3章 4話
とりあえず私だけ檻から出された。
ユニコは万が一、私が逃げ出した時の人質という事だろう。
「その代わり・・・。もし私が死んだらユニコは解放してあげて。ユニコは私が巻き込んだようなもんだし。第一クロウは私が邪魔なだけであってユニコが邪魔な訳じゃないわ」
そう・・・。
もしここで私が倒れるような事があっても、ユニコを巻き添えにする訳にはいかない。
「分かった・・・。それは約束しよう」
よし。
私はその人質のいる所まで案内される。
「・・・ここから先にいる」
細い洞窟の所まで案内される。
この奥にいるのね。
松明で奥の方まで見える。
今の所、誰もいないように見えるけど・・・。
途中までしか見えないからなんとも言えないわ。
「分かった。もし私がやられたら勝手にここに来たって事にしておいて。もし私が見つかったらそう言うし」
ここの人達に迷惑はかけられない。
何せ、私が勝手にやってる事だし。
頷いたのを見ると、私はそのまま洞窟の奥まで進む。
・・・しばらく進む。
「ヨーコ様」
・・・!?
小さいフェアの声が聞こえた。
「フェア?どこにいるの?」
「ヨーコ様の服のポケットです」
覗くと、確かにそこにいた。
「良かった・・・。フェアも無事だったのね」
「はい。それで・・・一部始終を聞かせてもらいました」
それにしてもこんな所に隠れていたなんて。
「それにしても・・・ラカスタ・ソルジャーと戦うなんて、かなり無謀な事を・・・」
「仕方ないじゃない。このままじゃあ、あの村は壊滅しちゃうのよ?それを黙ってる訳にはいかないもの」
「ヨーコ様・・・。自分を捕らえた連中の心配をするなんて・・・」
まぁ・・・私もかなりのお人好しだと思ってるわよ。
でもこれが私の性分だもの。
「ところで・・・そのラカスタ・ソルジャーってどんなの?」
「はい・・・。ラカスタ・ソルジャーは普段は石像のような姿で動く事も無いのですが、一定の所まで近づくと動き出すんです」
なるほど・・・。
「問題は・・・生半可な武器では傷をつける事も出来ない事です。見た目は普通の石材のように見えるのですが、魔法で加工された物なんです」
「なんですって!?」
それって・・・。
今まで私がやってたような方法じゃ無理って事じゃない?
「唯一の弱点は水をかける事です。水をかけるとその魔法の力が解けて粉になってしまうんです」
水ね・・・。
「って・・・それじゃあ今から水を取りに行けば!!」
「それは無理です。あそこに住むハタカーンの人達は水を使う事は無いんです。だから・・・あの村を探っても水は出て来ないと思います」
そ・・・そんな・・・。
水が無いなんて・・・。
「だからあそこにラカスタ・ソルジャーを置いているんです。その唯一の弱点が無いんですから」
・・・そういう事ね。
さて・・・一体どうすればいいのかしら・・・。