第3章 2話
・・・あれ?
ふと気づいたら・・・私は檻の中に閉じこめられていた。
どうも気を失っていたみたい。
ユニコとフェアは何処・・・?
辺りを見渡す。
ユニコはすぐに見つかった。
すぐ隣の別の檻の中に閉じこめられていた。
でも・・・フェアは?
「ユニコ!」
私は叫ぶ。
「・・・ヨーコ様」
「大丈夫?」
「はい。俺は大丈夫です。ヨーコ様は?」
「私も大丈夫だけど・・・フェアは?」
「さあ・・・。俺も見あたらなくて・・・」
やっぱり・・・。
フェアだけ姿が見えない。
一体何処へ行ったのかしら・・・。
無事だといいんだけど・・・。
「こいつが例の少女か・・・」
!?
・・・何かがこっちに来る。
それは頭が犬のような頭で首から下は人間の姿をしていた。
また・・・凄いのを見ちゃったわね。
その生き物が私の檻の前に来る。
「・・・私をどうするつもり?」
「悪いな・・・。処刑せざるを得ない」
・・・!!
「なんで!?」
「それは・・・おまえがクロウに逆らう存在だから・・・だ」
・・・?
何か違和感を感じた。
そう・・・。
この人達は望んでやってる訳じゃない。
無理矢理・・・この選択をせざるを得ない・・・そんな感じ。
どういう事?
だって・・・本当にクロウに従ってるならさっきの四天王のラカスタみたいに様付けするはず。
それに・・・表情が嫌々な感じがした。
たとえ人間の顔じゃなくても、それぐらいは分かる。
・・・何か理由があるわね。
やつの命令を聞かなければならない理由が。
その証拠に。
彼らは欲望にまみれて無い。
とても理性的だわ。
それを聞き出した方がいいかも。