第2章 8話
なんとか・・・。
私は力を振り絞って体を動かす。
ドスン!
凄まじい音がすぐ側で聞こえた。
なんとか・・・避けたけど次はもうこうはいかない。
体が思うように動かない・・・。
「ヨーコ様!!」
フェアとユニコがもうすぐ側にまで来ている。
どうすれば・・・。
・・・!!
そうだ。
時間稼ぎかもしれないけど・・・。
私は地面にあった砂を掴む。
「はっ!!」
目に向かってそれを投げる。
「ぐわっ!!」
やった!
目に入ったわ。
これで・・・。
「たぁ!!」
足を蹴る!
急に目が見えなくなった所で、足が不安定になった所でトロルは倒れ込む。
今のうちに・・・。
「ヨーコ様!!」
すでに私の側には、フェアとユニコが来ていた。
「ありがたいわ。乗せて!」
私はユニコの背中に乗るとそのまま山の頂上の方へと登った。
ふと後ろを振り返る。
トロルが追い掛けて来ている。
しつこいわね・・・。
ん?
あれは・・・かなり大きな岩・・・。
そうだわ。
「止まって!」
「どうするんです?ヨーコ様」
「これを使うのよ」
そう言うと、大きな岩に手をかける。
くっ・・・やっぱり動かない・・・。
「手伝います」
ユニコも押す。
すると・・・岩がゆっくりと動いた。
そのまま・・・下へと転がり落ちる。
当然、トロルの所へとまっすぐ向かっている。
そのまま・・・岩の下敷きになってしまった。
「これでトロルの心配はしなくていいわね」




