第1章 城
いつもと変わらない平和な日。
それはいつまでも続くと当たり前のように思っていた。
だけど、お姉ちゃんがお隣のお兄ちゃんと一緒に旅行に出かけた。
お姉ちゃんはいつも思いついたらすぐに行動しちゃうのよね。
かなり羨ましいと思う。
お姉ちゃんはいつでも前向きで、すぐに行動する。
私には無い部分。
ふぅ・・・。
いいのよ。
私はこれで。
あまり物事に首を突っ込みたくない。
こうしてのんびり歩くのも悪くないし。
いつものように買い物に出かける。
今日は何を買おうかな。
うん。
私はこういうのが合ってるのよ。
「見つけた!!」
え・・・?
何・・・!?
辺りを見渡す。
今・・・変な声が聞こえたような気が・・・。
「頼む!!助けてくれ!!」
やはり・・・声が聞こえる。
男の人のような・・・。
しかも・・・助けを呼ぶ声が。
でも・・・何処から?
「お願いだ!!」
え・・・?
「きゃ!!」
それはすぐ目の前にいた。
何・・・これ・・・!?
男の人が立っていたけど・・・。
微妙に違う部分がある・・・。
それは・・・。
黒くてコウモリのような翼がある事。
「お願いだ!あんたの力が必要なんだ!!」
そう言ったけど・・・まだ状況が理解出来ていない。
だって・・・信じられない存在が目の前にあるんだもの・・・。
なっ・・・何!?
「頼む!!」
その男は私の腕をつかむと同時に、周りが光りに包まれた!
「な・・・何!?」