第2章 6話
ふぅ・・・。
ようやく山へとたどり着いた。
「えっと・・・。これを登るの?」
「ええ。登らないと次の目的地が見えませんから」
そんな事じゃないかと思っていたけど・・・。
仕方ないわね・・・。
この山はまさしく足のごとく高くそびえ立っている。
しかもご丁寧に5つある。
一番山の横幅が広いのが親指ね。
そして一番小さいのが小指という具合ね。
まさに足のごとく。
足だと分かるのはそれほど高くないという所。
それにしても・・・こうやってみると本当に足みたい。
本当にここに巨人が眠ってるみたいね。
さてと・・・何事もなく登れるといいけど・・・。
しばらく登ってると・・・どうやら安全に登るってのは諦めた方がいいと思うような光景があった。
そこには・・・2メートルぐらいの高さの人間型の生き物で足も手もある。
人間と違うのは肌が緑色だという事と顔が明らかに人間の顔では無い。
なんというのか・・・モアイ像っぽい感じ。
そいつがそびえ立っている。
待ちかまえている感じね。
「あれは・・・トロルですね」
「トロル・・・?」
「ええ。見ての通り巨大な体で動きは鈍いんですけど、その怪力が自慢なんです」
なるほど・・・。
見たままって事ね。
じっとこっちを見ている。
気づいてはいるけど・・・襲いかかってはこないみたいね。
もっとも・・・すんなり通してくれるとは思えないけど・・・。
さあて・・・どうすればいいのかしら・・・。




