第2章 3話
それにしても・・・まだ旅は始まったばかりなのに、いきなりとんでもない目に合ったわね・・・。
「すいません。ルドルフ様の言葉を、もっときちんと聞いていれば良かったんですが・・・」
「・・・?どういう事?」
「はい。ルドルフ様が・・・この辺りは危険だからお城へと逃げるようにと」
そうね・・・。
この巨人の範囲は危険だって話しだものね。
「ですが・・・最初は無視していたんです。そんなはずは無いと・・・ですが、すぐにこの辺りは危険な場所と化してしまった・・・。想像も出来ない事態が起きていたようで」
なるほど・・・。
私の世界ではまだ魔物がいたり魔法の力があったりと、平和にはほど遠いけど。
突然平和が壊されるなんて・・・想像も出来ない事だものね。
だいたい・・・私だって突然妖魔界に呼ばれるなんて、想像も出来るはずもないもの。
そういう意味では私はユニコーンの言う話は分かる。
「でもこれで危険だって分かったでしょ?早く城に行った方がいいわよ」
「え?あなた達はいったい何処へ?」
「私はこれから”巨人の目”へと行く所よ」
「それは危険です!!」
「それを承知で行くって言ってるの」
そう・・・行かなければならない。
「ヨーコ様はオババの占いで、この妖魔界を救う存在なんです。ですから・・・あそこへ行かなければならないのです」
「オババの・・・」
そういう事。
前途多難な感じだけど・・・。
進まなきゃいけないもの。
「そういう事なら・・・俺も付いて行っていいですか?」
「え?何言ってるの!?あなたさっき自分で危険だって言ったばかりじゃない!?」
「それはそうですが・・・。あなたのような純粋な存在が危険な所に行くだなんて・・・。俺には耐えられない」
「ちょ・・・ちょっと・・・」
純粋・・・!?
私が・・・?
あの親や姉の血を引いてる私が?
ちょっと純粋って言葉からは遠い気がする。
「ヨーコ様、ユニコーンは純血な乙女を見たらその側を離れないって聞きます。おそらくそのせいでしょう」
う〜ん・・・。
「つまり・・・ユニコーンの特性ってやつ?」
「そうですね」
なるほどね・・・。
「かなり危険よ?もしかしたら・・・途中で死んじゃうかもしれないのよ?」
「それでもあなたを守れるのなら・・・俺は本望だ」
ふぅ・・・。
「分かったわ。そこまで言うのならもう止めないからね」




